労務安全情報センター[ブログ]

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過積載でカーブ曲がりきれず死亡事故のトラック~法人及び事業主を送検

2016.09.26
自動車運転者使用事業場 違反率84.9%
うち、平成27年度60件を「送検処分」



 厚生労働省は2016.9.16、全国の労働基準監督機関が、トラック、バス等の自動車運転者を使用する事業場に対して行った2015年監督指導・送検状況を公表した。監督指導を行った事業場3,836事業場のうち、労働基準関係法令違反が認められたのは3,258事業場(84.9%)。
主な違反事項は、「労働時間」(58.5%)、「割増賃金」(23.3%)、休日(5.6%)。
 情報源
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000137013.html

このうち、重大または悪質な労働基準関係法令違反により送検を行ったのは60件
平成27年
トラック 52
バス 1
ハイヤー・タクシー 4
その他 3
合計 60

厚労省発表文から、送検事例4件の内容を見ると次のとおりとなっています。

事例1(トラック)

脳・心臓疾患事案を発生させる等、違法な長時間の時間外労働を行わせたとして法人及び事業主を送検
概 要
 脳・心臓疾患を発症した運転者(死亡)について、36協定の協定時間である1か月70時間を超えて時間外労働を行わせており、最長で1か月約134時間の時間外労働が認められたことから、法人及び事業主を送検。
 また、当該時間外労働に対する割増賃金を支払っていなかったため、併せて送検。



事例2(トラック)

違法な時間外労働及び休日労働について是正勧告を受けたにもかかわらず違反状況を是正しなかったため、法人及び支店長を送検
概要
 運転手4名に対し、36協定で協定した時間(1か月120時間)、回数(2週間について1回)を超えて、1か月最長で約86時間の時間外労働を行わせ、うち1名に対して、6か月間に合計12回の休日労働を行わせていたことから、法人及び実行行為者である支店長を送検。
 当該事業場は、過去にも運転者が死亡する追突事故を発生させ、時間外労働について送検されており、また、直近の労働基準監督機関と地方運輸機関との合同監督において、違法な時間外労働及び休日労働について是正勧告を受けていたが、違反状態を是正しなかった。



事例3(トラック)

運転者が死亡する交通災害を発生させる等、違法な長時間の時間外労働を行わせたとして法人及び事業主を送検
概 要
 走行中の車輌運搬車が、赤信号で停止していた大型トレーラーの後部に追突し、当該車輌運搬車の運転者が死亡。
 同運転者について、事故の直近50日間における時間外労働時間数が190時間以上に及んでおり、36協定の協定時間である1か月80時間を超えて時間外労働を行わせた事実が認められたため、法人及び事業主を送検。



事例4(その他)

過積載の貨物自動車がガードレールに衝突し運転者が死亡した事故について、法人及び事業主を送検
概 要
 クレーン付き貨物自動車(つり上げ過重2.93トン)が、高速道路のインターチェンジで降りようとしたところ、本線から出口まで向かう道路のカーブを曲がりきれず、ガードレールに衝突し、運転者が死亡した。
 貨物自動車の最大積載量は約2.5トンであったが、事故発生時には5.8トン以上の荷を積んでおり、過積載の状態であったことから法人及び事業主を送検。
 また、当該荷は同運転者が同クレーンを使用して積載したものであったが、運転者は移動式クレーンの運転及びクレーンの玉掛け業務の資格を有していなかったことから併せて送検。





 [編注、コメント]

 送検事例第4は、過積載を労働安全衛生法第20条(危険防止措置)、労働安全衛生規則第151条の66(使用の制限)で送検処分した事例。



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36協定の代表者選出に違法性があり[送検処分]

2016.08.30
労働新聞 平成28.7.18日号は、
 36協定・違法な方法で代表者選出~三島労基署
 使用者が一方的指名
 違法時間外の印刷業送検

のタイトルで、概要、次の記事を掲載しています。

 「静岡・三島労働基準監督署(清家宏造署長)は、有効な36協定を締結することなく時間外労働を行わせたとして、折込広告などを製作する東洋印刷(株)と同社総務経理課課長を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで静岡地検に書類送検した。同社は36協定の限度時間を超える違法な時間外労働をさせていたことから、複数回にわたる是正勧告を受けていた。法違反を免れるため、使用者側で一方的に労働者の過半数代表者を選出し、現状の時間外労働が協定の範囲内に収まるよう限度時間を設定し直した疑い。」


[編注、コメント]

労働新聞 
平成28.7.18日号によると
犯罪事実は
「平成27年4月~7月の4カ月にわたり、有効な36協定を締結することなく、経理課所属の労働者2人に違法な時間外労働をさせた」というものです。

 36協定の過半数代表者の選出問題は、それこそ、多く事業場にとって触られたくない問題である。
 法的に適正と評価される選出方法を確立している事業場はむしろ少数かも知れない。さらに、法的に適正でない過半数代表者と締結した36協定は、法律上「無効」であることが問題と複雑にしている。
 その結果、36協定でいえば、それに依拠して行っている(行ってきた)残業は、すべてが「違法残業」(罰則付き)になる。
 言い替えれば、過半数代表者選出の適正化を図ることなくしては、いつになっても労務経営基盤は安定しない。いつ液状化現象に見舞われて、足元をすくわれるか分からないリスクを抱えている訳である。

 触られたくない、話題にもしたくない「過半数代表者の選出方法」の問題が、こともあろうか、問答無用の「司法処分」の俎上にのせられたのが本事件である。記事は転載になりますが、要注目事件として取り上げさせて頂きました。



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「中途採用において最もよく利用したルート・機関」についての調査

2016.08.29
「民間人材ビジネス実態把握調査」の結果

 2016.8.5日、厚労省は「民間人材ビジネス実態把握調査」(3,526事業者、労働者1,976人から有効回答を得て、集計したもの)の結果を公表した。

 発表文の詳細は以下を参照してください→ http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11651500-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu-Minkanjinzaiservicesuishinshitsu/0000118943_2.pdf

ここでは、同報告書から、
求人募集において、
「中途採用において利用したルート・機関」の調査結果から、以下を抜粋して紹介します。


1 利用したルート・機関(最も利用頻度の高いもの):業種別

 過去3年間(平成24~26 年度)に中途採用のために常用労働者の募集を行った事業所の、最も利用頻度の高い機関は、「ハローワーク」で46.9%と最も高く、次いで「社員、従業員からの紹介」で13.6%、「求人媒体(紙)」で13.4%となっている。
これを民間人材ビジネス事業者(民間の職業紹介機関、委託募集、求人媒体(紙)、求人媒体(Web)、紹介予定派遣)の利用に限って、業種別にみると、「民間の職業紹介機関」は学術研究, 専門・技術サービス業で19.4%、「求人媒体(紙)」は生活関連サービス業, 娯楽業で27.5%、「求人媒体(Web)」は不動産業, 物品賃貸業で22.5%%と割合が高くなっている。(表11)
最も利用頻度の高い機関
( ↑ クリックすると拡大表示できます)



2 利用したルート・機関(最も利用頻度の高いもの):職種別

過去3年間(平成24~26 年度)に中途採用のために常用労働者の募集を行った事業所の、求人で利用した最も利用頻度の高い機関については、全般的に「ハローワークの」の割合が高いが、医師では「民間の職業紹介機関」が21.9%、生活衛生では「求人媒体(紙)」が63.0%と割合が高くなっている。(表9)
最も利用頻度の高い機関(職種別)
( ↑ クリックすると拡大表示できます)



 [編注、コメント]

 ハローワークの健在ぶりも確認される中、調査結果表を凝視すると、「民間人材機関、ハローワーク、求人媒体(紙、ウェブ)、直接募集、知り合い・縁故」にそれぞれの特徴が浮かび上がってくる。
 面白い調査になっている。




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外国人技能実習機関に対する送検処分が26件→46件に急増!

2016.08.18
外国人技能実習機関に対する送検処分

 厚労省は、2016.8.16日、技能実習生の実習実施機関に対して行った監督指導や送検の状況を公表した。
 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000133513.pdf

 このうちには、送検処分計46件があるが、事例公表されたのが、以下の5件

事例1 最低賃金及び割増賃金の不払について同一監理団体傘下の4法人及び監理団体の関係者を共犯で同時送検(注:監理団体:受入企業を会員とする事業協同組合などの受入団体)

事例2 監督指導時の虚偽報告を端緒に強制捜査を実施し、違法な長時間労働や賃金不払い等について送検

事例3 1,000万円を超える賃金不払について是正勧告に従わなかったため送検

事例4 フォークリフトの無資格運転により技能実習生の死亡災害を発生させたため送検

事例5 つり荷の下への労働者の立入禁止措置を講じず、クレーンの荷が落下し技能実習生の死亡災害を発生させたため送検


送検事例の詳細は、以下の資料の8ページから10ページを参照してください
事例→ http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000133513.pdf


 [編注、コメント]

 技能実習実施機関に対する送検処分件数が、以下図表に見るように急増している。
 外国人実習送検処分
(↑ 厚労省公表資料から)



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高校生等のアルバイトとシフト変更等のトラブル(厚労省Q&Aから)

2016.07.28
高校生等のアルバイト
(厚労省Q&Aから)



  厚生労働省は、高校生の夏のアルバイト時期を迎えて、各団体等に対して、「高校生等のアルバイトの労働条件の確保」(点検の実施)を、また、日本経団連、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会に対しても労働基準関係法令の遵守や、シフト設定などの課題への配慮について要請した。

  前記、要請にある厚労省の自主点検表だが、この自主点検表全24項目中、「学業とアルバイトの両立のために特に配慮が必要な事項」として3項目があがっている。
  シフト勤務の一方的な変更などの問題について、法律上の解説も加えているので、
以下、抜粋して紹介します。
高校生のアルバイト

詳細は以下から確認してください。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000130155.html


24項目の自主点検表
うち、「学業とアルバイトの両立のために特に配慮が必要な事項」
としてあがっている3項目!


解雇・退職
22 アルバイトが退職を申し入れているにもかかわらず、人手不足を理由に、継続して働くことを強要していませんか

⇒労働者は、原則として会社を退職することをいつでも申し入れることができます。
あらかじめ契約期間が定められていないときは、民法の規定では、労働者は退職届を提出するなど退職の申入れをすれば、2週間経てば辞めることができます(民法第627条第1項)。
3か月間などあらかじめ契約期間の定めがあるとき(有期労働契約)は、契約期間満了とともに労働契約が終了します。使用者が労働者に継続して働いてもらう場合は、新たに労働契約を締結する必要があります(労働者の同意が必要)。

シフト

23 相手の同意を得ることなく、一方的にシフトの決定・変更を行っていませんか

⇒勤務日や勤務時間については、労働条件通知書等によりあらかじめ労働者に通知する必要があります。
また、シフト勤務等(勤務割表により勤務日・勤務時間が特定されたもの)による場合には、あらかじめ勤務割表の作成手順及びその周知方法を定めておき、それに従って通知する必要があります。
採用時に合意した以上のシフトを入れる場合など、労働条件を変更する場合には、事前に労働者の同意が必要です。
なお、シフトを一方的に削るなど、勤0を労働者に示し、労働時間を特定した後に.会社側の都合で労働時間の
全部又は一部を休業させた場合には、使用者は平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません(労働基準法第26条)。


24 試験の準備期間や試験期間中などに、本人の希望に反してシフトを入れていませんか

⇒試験の準備期聞や試験期間中など、学業に時間を割く必要がある際は、本人の意向を確認の上、できるだけシフト設定に当たり配慮してください。


 [編注、コメント]

 
 シフトを一方的に変更されたり、嫌がらせ的にシフトを外されることは、アルバイトにとって最も困った問題のようだ。
 普通に大人が、「はっきり言うべきだ」とか、「いやならいやとはっきり伝えないと、納得してくれたと思うよ」などアドバイスするのだが、アルバイトが勤務先で自分の意思をはっきり相手に伝えることは、大学生にとってさえ重いことのようなのだ。
 ましてや、高校生では、なかなか言えないのだろう。
 
 「反論しないから=納得した」という(推定の世界)で、アルバイトは戸惑ってる。
 シフト編成一つにも「大人の配慮」というものがあるなら、双方、ハッピーだろう。



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