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送検事例の記事一覧

三菱電機の書類送検と処分結果

2017.02.11
三菱電機の書類送検と処分結果

 藤沢労働基準監督署は2017.1.11、労働基準法違反容疑で法人としての三菱電機と、社員の労務管理をしていた当時の上司1人を横浜地検に書類送検した。
 容疑は、男性研究職に、2014年1~2月、36協定(時間外労働に関する労使協定)で定めた上限の月60時間を超える78時間9分の残業を男性にさせた疑い。
 同男性は2013年4月に研究職で入社したが、14年1月から仕事量が増加。同4月にうつ病と診断され、16年6月に退職、その後、16年11月、業務に起因し精神障害を発症したとして労災認定されている。(新聞各紙の報道記事から)

[続報]

 「横浜地検は27日、入社1年目の男性社員(31)に労使協定で定めた上限を超える残業をさせたとして労働基準法違反の疑いで書類送検された、法人としての三菱電機と40代の男性上司を嫌疑不十分で不起訴処分とした。詳しい理由を明らかにしていない。
 検察幹部は、「今回のケースは1日当たりにすれば数十分程度の超過残業。上司が残業を強いたといえるほどではなく、起訴するのは難しい」と指摘した。一方、厚生労働省幹部は「検察の判断については何も申し上げられない」としながらも、「電通問題などで社会の関心が高まっており、引き続き労基法違反に対して厳しく取り組んでいく」と話した。(「続報」は、2017.1.28日経新聞朝刊記事から)


関連参考
企業と管理者が書類送検された例

① 靴の販売店「エービーシー・マート」36協定の上限を超える月97~112時間の違法残業(処分結果:法人に罰金50万円、労務担当役員・店舗責任者は不起訴
② 量販店「ドン・キホーテ」36協定の上限を超える3ヶ月120時間を超える違法残業(処分結果:法人に罰金50万円、各責任者は不起訴


[編注、コメント]

 横浜地検の処分は、「嫌疑不十分」と報じられている。
 日本経済新聞のフォロー取材において、検察幹部は、事案における違法残業は、「1日当たりにすれば数十分程度」と認定し、この程度では「上司が残業を強いたといえるほどでない」と不起訴の理由を説明している。
 このことから、検察幹部は上司の「故意」を(通説から離れて)厳格に狭く理解していることが処分結果に反映したと思われる。ホワイトカラー特有の残業指示の不明確性の問題もあるが、一般論として、違法残業の時間数の程度は、違法性(故意)に直結しないと思われるし、事案の処分結果が、「起訴猶予」でもなく、「嫌疑不十分」となっていることも含め、理解しにくい問題が残る。



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ドンキホーテ=法人罰適用「違法残業で罰金50万円」

2016.11.15
ドンキホーテ=法人罰適用
(違法残業で罰金50万円)


 以下は、(日本経済新聞2016.11.15朝刊記事から)

 記事タイトル:「ドンキに違法残業で罰金50万円 東京簡裁命令」
 記事本文:「量販店を展開する「ドン・キホーテ」(東京・目黒)が違法な長時間労働を従業員にさせたとして、東京区検は14日、法人としての同社を労働基準法違反の罪で略式起訴したと発表した。東京簡裁は罰金50万円の略式命令を出し、同社は納付した。
 略式起訴は10月13日付。東京労働局の過重労働撲滅特別対策班が同法違反容疑で法人とともに書類送検した8人について、同区検はいずれも不起訴処分とした。
 起訴状によると、ドン・キホーテは2014年10月~15年4月、町田駅前店など都内3店舗の従業員4人に対し、労使協定で定めた3カ月120時間を42~287時間超える時間外労働をさせたとされる。

 特別対策班は従業員に過酷な労働を強いる「ブラック企業」対策で昨年4月、東京と大阪両労働局で発足した。同年6月にドン・キホーテを強制捜査し、今年1月に同社と男性執行役員ら8人を書類送検した。(中略)

 親会社のドンキホーテホールディングスは「略式命令を真摯に受け止め、全社を挙げて関係法令の順守を徹底する」とコメントした。」(日本経済新聞2016.11.15朝刊記事から)


 [編注、コメント]

 ドンキホーテですか。
 それこそ、「企業そのものが変わった」(関連・厚労省審議官の弁から)という姿を見せてほしいです。
 http://laborstandard.blog82.fc2.com/blog-entry-573.html



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過積載でカーブ曲がりきれず死亡事故のトラック~法人及び事業主を送検

2016.09.26
自動車運転者使用事業場 違反率84.9%
うち、平成27年度60件を「送検処分」



 厚生労働省は2016.9.16、全国の労働基準監督機関が、トラック、バス等の自動車運転者を使用する事業場に対して行った2015年監督指導・送検状況を公表した。監督指導を行った事業場3,836事業場のうち、労働基準関係法令違反が認められたのは3,258事業場(84.9%)。
主な違反事項は、「労働時間」(58.5%)、「割増賃金」(23.3%)、休日(5.6%)。
 情報源
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000137013.html

このうち、重大または悪質な労働基準関係法令違反により送検を行ったのは60件
平成27年
トラック 52
バス 1
ハイヤー・タクシー 4
その他 3
合計 60

厚労省発表文から、送検事例4件の内容を見ると次のとおりとなっています。

事例1(トラック)

脳・心臓疾患事案を発生させる等、違法な長時間の時間外労働を行わせたとして法人及び事業主を送検
概 要
 脳・心臓疾患を発症した運転者(死亡)について、36協定の協定時間である1か月70時間を超えて時間外労働を行わせており、最長で1か月約134時間の時間外労働が認められたことから、法人及び事業主を送検。
 また、当該時間外労働に対する割増賃金を支払っていなかったため、併せて送検。



事例2(トラック)

違法な時間外労働及び休日労働について是正勧告を受けたにもかかわらず違反状況を是正しなかったため、法人及び支店長を送検
概要
 運転手4名に対し、36協定で協定した時間(1か月120時間)、回数(2週間について1回)を超えて、1か月最長で約86時間の時間外労働を行わせ、うち1名に対して、6か月間に合計12回の休日労働を行わせていたことから、法人及び実行行為者である支店長を送検。
 当該事業場は、過去にも運転者が死亡する追突事故を発生させ、時間外労働について送検されており、また、直近の労働基準監督機関と地方運輸機関との合同監督において、違法な時間外労働及び休日労働について是正勧告を受けていたが、違反状態を是正しなかった。



事例3(トラック)

運転者が死亡する交通災害を発生させる等、違法な長時間の時間外労働を行わせたとして法人及び事業主を送検
概 要
 走行中の車輌運搬車が、赤信号で停止していた大型トレーラーの後部に追突し、当該車輌運搬車の運転者が死亡。
 同運転者について、事故の直近50日間における時間外労働時間数が190時間以上に及んでおり、36協定の協定時間である1か月80時間を超えて時間外労働を行わせた事実が認められたため、法人及び事業主を送検。



事例4(その他)

過積載の貨物自動車がガードレールに衝突し運転者が死亡した事故について、法人及び事業主を送検
概 要
 クレーン付き貨物自動車(つり上げ過重2.93トン)が、高速道路のインターチェンジで降りようとしたところ、本線から出口まで向かう道路のカーブを曲がりきれず、ガードレールに衝突し、運転者が死亡した。
 貨物自動車の最大積載量は約2.5トンであったが、事故発生時には5.8トン以上の荷を積んでおり、過積載の状態であったことから法人及び事業主を送検。
 また、当該荷は同運転者が同クレーンを使用して積載したものであったが、運転者は移動式クレーンの運転及びクレーンの玉掛け業務の資格を有していなかったことから併せて送検。





 [編注、コメント]

 送検事例第4は、過積載を労働安全衛生法第20条(危険防止措置)、労働安全衛生規則第151条の66(使用の制限)で送検処分した事例。



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36協定の代表者選出に違法性があり[送検処分]

2016.08.30
労働新聞 平成28.7.18日号は、
 36協定・違法な方法で代表者選出~三島労基署
 使用者が一方的指名
 違法時間外の印刷業送検

のタイトルで、概要、次の記事を掲載しています。

 「静岡・三島労働基準監督署(清家宏造署長)は、有効な36協定を締結することなく時間外労働を行わせたとして、折込広告などを製作する東洋印刷(株)と同社総務経理課課長を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで静岡地検に書類送検した。同社は36協定の限度時間を超える違法な時間外労働をさせていたことから、複数回にわたる是正勧告を受けていた。法違反を免れるため、使用者側で一方的に労働者の過半数代表者を選出し、現状の時間外労働が協定の範囲内に収まるよう限度時間を設定し直した疑い。」


[編注、コメント]

労働新聞 
平成28.7.18日号によると
犯罪事実は
「平成27年4月~7月の4カ月にわたり、有効な36協定を締結することなく、経理課所属の労働者2人に違法な時間外労働をさせた」というものです。

 36協定の過半数代表者の選出問題は、それこそ、多く事業場にとって触られたくない問題である。
 法的に適正と評価される選出方法を確立している事業場はむしろ少数かも知れない。さらに、法的に適正でない過半数代表者と締結した36協定は、法律上「無効」であることが問題と複雑にしている。
 その結果、36協定でいえば、それに依拠して行っている(行ってきた)残業は、すべてが「違法残業」(罰則付き)になる。
 言い替えれば、過半数代表者選出の適正化を図ることなくしては、いつになっても労務経営基盤は安定しない。いつ液状化現象に見舞われて、足元をすくわれるか分からないリスクを抱えている訳である。

 触られたくない、話題にもしたくない「過半数代表者の選出方法」の問題が、こともあろうか、問答無用の「司法処分」の俎上にのせられたのが本事件である。記事は転載になりますが、要注目事件として取り上げさせて頂きました。



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外国人技能実習機関に対する送検処分が26件→46件に急増!

2016.08.18
外国人技能実習機関に対する送検処分

 厚労省は、2016.8.16日、技能実習生の実習実施機関に対して行った監督指導や送検の状況を公表した。
 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000133513.pdf

 このうちには、送検処分計46件があるが、事例公表されたのが、以下の5件

事例1 最低賃金及び割増賃金の不払について同一監理団体傘下の4法人及び監理団体の関係者を共犯で同時送検(注:監理団体:受入企業を会員とする事業協同組合などの受入団体)

事例2 監督指導時の虚偽報告を端緒に強制捜査を実施し、違法な長時間労働や賃金不払い等について送検

事例3 1,000万円を超える賃金不払について是正勧告に従わなかったため送検

事例4 フォークリフトの無資格運転により技能実習生の死亡災害を発生させたため送検

事例5 つり荷の下への労働者の立入禁止措置を講じず、クレーンの荷が落下し技能実習生の死亡災害を発生させたため送検


送検事例の詳細は、以下の資料の8ページから10ページを参照してください
事例→ http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000133513.pdf


 [編注、コメント]

 技能実習実施機関に対する送検処分件数が、以下図表に見るように急増している。
 外国人実習送検処分
(↑ 厚労省公表資料から)



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