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労務安全情報センター[ブログ]

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送検事例の記事一覧

検察審査会「電通事件の高橋さん元上司、不起訴相当」の議決

2018.08.01
検察審査会議決
「電通事件の高橋さん元上司、不起訴相当」



日本経済新聞2018.7.28朝刊記事から

記事タイトル:高橋さん元上司、不起訴相当議決 検察審、電通違法残業で
記事本文:「電通の違法残業事件で、東京第一検察審査会は27日までに、過労自殺した同社の新入社員、高橋まつりさん(当時24)の当時の上司の不起訴処分を相当と議決した。議決は12日付。同事件では法人としての電通に罰金50万円の有罪判決が確定しているが、検審も上司個人に刑事責任を求めるのは妥当ではないと判断した。

 検審は議決理由で、上司が違法残業を認識していたものの「同様の違法な長時間労働が全社的に行われており、中間管理職には組織の中で個人ができる対策は限られていた」と指摘した。
 高橋さんの上司だけを処罰すれば、他の中間管理職との間で不公平となることや、電通が有罪判決を受け長時間労働の対策が取られつつあることなどから、「検察官の不起訴処分を覆すに足る理由はない」と結論づけた。」(日本経済新聞2018.7.28朝刊記事から)


[編注、コメント]

 全社的、組織的に犯罪行為が行われている場合には、個人の管理責任を問うことは妥当でないという論理組み立て自体が、その妥当性を問われているのではないか。



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野村不動産〜企画業務裁量労働制を営業に不法適用(是正勧告)

2017.12.28
野村不動産〜企画業務裁量労働制を営業に不法適用(是正勧告)

 東京労働局などは26日、野村不動産(新宿区)に対し、裁量労働制を不法に適用したとして、是正勧告を出したことを明らかにした。
(※東京労働局によると、違反事実は「企画や調査に従事する労働者が対象の「企画業務型裁量労働制」を営業活動を行う社員に不法に適用していた」もの。)同社は社員約1900人のうち約600人に裁量労働制を適用していた。」
 同社の宮嶋誠一社長に対し25日付の是正勧告書を渡し、口頭で指導も行った。同社は、今回の勧告を受けて26日には裁量労働制を廃止する方針を明らかにした。
(注)(以上は、各マスコミ報道を元に整理要約したものです。)


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労災保険加入準備から計画的な他人なりすまし詐欺

2017.11.28
(以下は、2017.11.20日本経済新聞夕刊記事から)

記事見出し:他人成り済まし休業補償を受給 容疑の3人逮捕
記事本文:「他人に成り済まして労災を申請し休業補償金を不正受給したとして、埼玉県警は20日までに、さいたま市岩槻区西町、無職、細井芳春容疑者(38)と大阪府四條畷市米崎町、無職、松本徹容疑者(32)を詐欺などの疑いで、埼玉県三郷市東町、自営業、西沢和男容疑者(48)を詐欺ほう助などの疑いでそれぞれ逮捕した。

 県警によると、細井容疑者が指示役で、他人名義の身分証で労働保険に加入し、虚偽の労災申請を繰り返していたという。2014年から今年にかけ、計3,400万円の休業補償金をだまし取ったとみて調べている。

 細井、松本両容疑者の逮捕容疑は、埼玉県内の住宅工事現場で足場から落ちけがをしたとする虚偽の申請書を労基署に提出、16年4月~今年2月分の休業補償金計約522万円をだまし取った疑い。西沢容疑者の逮捕容疑は、休業補償金の詐取に使うと知りながら、他人名義の預金通帳などを提供した疑い。」(2017.11.20日本経済新聞夕刊記事から)


 [編注、コメント]

 労働保険への新規加入から計画的に詐欺を働く手段は、なかなかのもの。書類審査だけで見破るのは難しいだろう。
 詐欺申請のあった労災事故を、保険給付とは別に、事故再発防止の観点から現地(発生現場)調査すれば、容易に発覚するのだが、監督官も全数調査する訳ではない。しかし、記事にあるように「工事現場で足場から落ちけがをした」という理由で労災請求書を書くところは、やはり「素人」。
 ぜひ、現地調査をしてくださいと言っているに等しいから、面白い!。



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電通・違法残業事件判決(2017.10.6)要旨

2017.10.25
電通・違法残業事件判決(2017.10.6)要旨



1 2017.9.12 略式不相当から正式裁判へ
2 2017,9,22 公判請求 罰金50万円求刑
3 2017.10.6 求刑通り罰金50万円を言い渡し
4 2017.10.6 判決要旨



1 (略式命令=不相当)→正式裁判へ(東京簡裁決定)

 (以下、2017.7.12 17:33産経ニュースより)

 大手広告会社の電通(東京)が社員に違法な残業をさせていた事件で、東京簡裁は12日、労働基準法違反罪で電通を罰金刑とする略式命令を不相当と判断し、正式な裁判を開くことを決めた。簡裁が検察側の略式起訴を退けるのは珍しい。新入社員の過労自殺に端を発した事件は公開の法廷で審理されることになった。

 略式起訴と略式命令は、簡単な事件について非公開の書面審理だけで罰金刑などを言い渡す手続き。より重い罰金刑や、事実の解明・明確化などの理由で略式命令を出すことがふさわしくないと簡裁が判断すれば、通常の公判が開かれる。検察側は公判で改めて罰金刑を求刑するとみられる。

 東京区検は5日、労働基準法違反罪の両罰規定を適用して法人としての同社を略式起訴。起訴状によると、電通は過労自殺した新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=ら社員4人に対し、電通本社の労使協定(三六協定)が定めた月50時間を超え、平成27年10~12月に3時間30分~19時間23分の時間外労働をさせたとしている。

 高橋さんの当時の上司ら本社幹部3人と、中部、関西、京都の各支社の幹部計3人は不起訴処分(起訴猶予)となっていた。(以下省略)


2 罰金50万円を求刑

 (以下、毎日新聞2017年9月22日ニュースより)

 罰金50万円を求刑
 広告大手・電通(本社・東京都港区)の違法残業事件で、労働基準法違反(長時間労働)に問われた法人としての同社の初公判が22日、東京簡裁(菊地努裁判官)であった。山本敏博社長は起訴内容を認め、被告人質問で「尊い命が失われたことを心より申し訳なく思う」などと謝罪した。検察側は罰金50万円を求刑し、即日結審した。
 残業規制を柱とする政府の働き方改革を巡る議論に大きな影響を与えた事件で、簡裁の判断が注目される。判決は来月6日。
(中略)
 被告人質問で山本社長は、職場環境について「仕事に時間をかけることがサービス品質の向上につながり、顧客の要望に応えることだと思い込んでいた」と述べた上で、現在は業務の縮小や機械化などで労働時間を減らす努力をしているとした。

(参考)電通の長時間労働事件
 2015年12月、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺し、東京労働局三田労働基準監督署は16年9月、労災と認定。大企業の長時間残業を取り締まる厚生労働省・過重労働撲滅特別対策班が事件化し、法人としての電通と本支社の幹部を検察に書類送検した。東京地検は今年7月、電通を略式起訴し、幹部らは起訴猶予に。しかし、東京簡裁は同月、審理を略式裁判ではなく、正式裁判(公判)で行うと決定した。


3 2017.10.6判決言い渡し
 
 (以下、中日新聞より)
 広告大手電通(東京)の違法残業事件で、労働基準法違反罪に問われた法人としての電通の判決公判が六日、東京簡裁であった。菊地努(つとむ)裁判官は「違法な長時間労働が常態化していた」として、求刑通り罰金五十万円を言い渡した。


4 電通・違法残業事件判決(要旨)

 (以下、毎日新聞2017年10月7日東京朝刊記事より)

電通・違法残業事件判決(要旨)

<認定事実>

 ダイレクトマーケティング・ビジネス局デジタル・アカウント部長、アウト・オブ・ホーム・メディア局テーブルメディア部長、第19営業局メディアソリューション1部長は東京本社に関し、電通労組東京支部との間で協定を締結し、法定労働時間を超えて延長できる時間は月に50時間などと定めた。同支部が労働者の過半数で組織されておらず無効だった協定を有効と誤信し、2015年10月~12月、社員4人に月50時間を超えてそれぞれ3時間30分~19時間23分の時間外労働をさせた。

<量刑理由>

 自殺し労災認定された者もおり、尊い命が奪われる結果まで生じたことは看過できない。違法な長時間労働が常態化していたとみられる。協定上限を超える長時間労働を行う者が毎月1400人前後いた時期もあり、14年6月に関西支社、15年8月に東京本社が労基署から是正勧告を受けたが、その対応は悪質な企業として公表されたり、官公庁の入札指名停止を受けたりするなどして最終的に東京五輪関連の業務を受注する機会を失う事態を避けるという、もっぱら会社の利益を目的として行われた。
 それゆえ協定を改定し、形式的に違法状態を解消しようとする対応に終始し、業務量削減など抜本的対策が講じられることはなく、具体的対応は部長らに任され、サービス残業も横行する状態となっていた。犯行は社の労働環境の一環として生じたと認められ、刑事責任は重い。
 会社は社会的信用が低下するなどの社会的制裁を受け、新しい働き方への転換を図っている姿勢がうかがえる。社長が公判で再発防止を誓約したことなどの事情を考慮し、他の労基法違反事件との均衡を勘案した。



 [編注、コメント]

 新聞各紙から、電通・違法残業事件の刑事事件送致から起訴。さらに略式不相当の決定、その後の判決及びその要旨を集め、経過をまとめてみた。




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電通36協定は要件を欠き「無効」

2017.07.10
電通36協定は要件を欠き「無効」
朝日新聞2017.7.8配信記事から抜粋


  「広告大手、電通(本社・東京)の違法残業事件で、東京地検は7日、法定労働時間を超えて社員を働かせるために労使が結ぶ「36(サブロク)協定」が労働基準法の要件を満たさず、無効だったと発表した。・・ 東京地検によると、電通の本社では、残業時間の上限を1カ月あたり50時間とする労使協定を結び、労働基準監督署に届け出ていた。労基法36条は「事業場の過半数で組織する労働組合または過半数を代表する者」と協定を結ぶ必要があると定める。しかし、地検が厚生労働省の押収した資料などを調べたところ、2015年10?12月、本社の労組の加入者が従業員の半数を超えていなかった。地検はこの期間の36協定を「無効」と認定した

 電通広報部は取材に対し、「正社員の労働組合には過半数が加入していたが、非正社員が増えたことで全従業員に占める加入者が半数を切ってしまった」と説明。昨年11月の厚労省による強制捜査後に指摘を受け、選出した従業員の過半数代表者と36協定を結び直し、現在は違法状態を解消したとしている。」(以上、朝日新聞2017.7.8記事から抜粋要約)


[編注、コメント]
 過半数で組織する労働組合のない事業場における「過半数代表者」問題は、企業の担当部署だけでなく行政関係者を含め、見て見ぬ振りでやり過ごしている問題の一つではないか(それだけ、問題が複雑で深刻であることの反映でもあるが)。



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