労務安全情報センター[ブログ]

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労働基準REVIEWの記事一覧

条件付きではあるが、産業医の職場巡視を月1回から2月に1回にする動き

2016.11.21
産業医制度の在り方に関する検討会報告書案
2016.11.11


 厚労省の第7回産業医制度の在り方に関する検討会の配付資料に、
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000140467.html
 産業医制度の在り方に関する検討会報告書(案)が掲載されている。
 注目されるのは、同報告書案の
 Ⅱ 検討結果
 2 産業医、産業医以外の産業保健スタッフに期待される役割
 (2)産業医に必要な情報取得のあり方
における、以下の記述。

 「4) 事業者から産業医に対して、定期的(月1 回以上)に以下の情報が提供される場合においては、産業医の職場巡視の頻度を、事業者の同意を条件として、毎月1回以上から2 月以内に1 回以上とすることが適当である

 ア)過重労働対策などにとって有用な規則52 条の2 に基づき月1 回以上事業者が把握する面接指導の基準(労働時間の部分)該当者及び労働時間
 イ)週1 回以上の衛生管理者の職場巡視の結果
 ウ)上記のほか、各事業場の状況に応じて衛生委員会等にて判断した事項」

[補足]
 上記とは別に、この検討会報告書案には、
 
 (事業者には、)健康診断の事後措置に関し意見聴取を行う医師、歯科医師から、異常所見であった労働者の業務の状況(労働者に係る作業環境、労働時間、作業態様等)等の情報を提供を求められたときは、当該情報を提供することを義務付けることとする趣旨の提言も行っている。
産業医検討会報告書案
  (↑ クリックすると拡大表示できます)


 [編注、コメント]

 要するに、

 「産業医の職務」に関連して、現状では、”毎月1 回以上の産業医の職場巡視”義務が課されているが、事業者に、過重労働やメンタルヘルス対策など情報提供を義務付けつつ、この職場巡視の負担軽減を図ろうとする趣旨のように思われる。

① 事業者に、情報提供を義務づけることの是非
 やる気のある産業医にとっては、活動がし易くなる反面、過重労働やメンタルヘルス対策など情報提供を受けながら、必要な対応を怠っていたような場合の不作為の責任が従来にくらべて生じやすくなる可能性もある。(この情報提供の問題に限らず、近年の産業医の職務権限の拡大と従業員の健康障害に伴う結果責任については、十分、法的な検討がなされているようには思えない。
従業員的には、事業者責任と合わせて、産業医の責任を問い正したい状況が、より多くの場面で、存在するように映るのではないか。

② 職場巡視回数の減
  ”毎月1 回以上の産業医の職場巡視”とは、現場を見回るだけの仕事か。衛生委員会への出席とあわせて、過重労働やメンタルヘルス対策など情報収集は、いくらでも可能だろうと思われるのだが、何か、と引き替えに、職場巡視義務を月1回から2月に1回に軽減するという発想自体が、そもそも説得力を欠いている。

との感想を持ちました。



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監督官の是正勧告と企業の体質改善につながる指導

2016.11.15
監督官の是正勧告と
企業の体質改善につながる指導


 日本経済新聞2016.11.14夕刊に次の記事が掲載されていました。

 記事タイトル: 「我々が反省すべき」 電通過労自殺で厚労審議官
 記事本文: 「全国の労働局長が集まる会議が14日、厚生労働省内で開かれ、岡崎淳一厚生労働審議官は電通の長時間労働問題などを挙げ、「各事業場に対しては是正勧告をしてきたが、企業そのものが変わっていなかったということは、我々が反省すべき課題だ」と述べた。

 昨年12月に女性新入社員(当時24)が過労自殺した電通では、2010年に中部支社(名古屋市)、14年に関西支社(大阪市)、15年に東京本社(東京・港)がそれぞれ地元の労働基準監督署から是正勧告を受けている。岡崎審議官は「こういう事案をみるにつれ、全体の状況を把握した指導が必要だ」と強調した。(以下、略)」(日本経済新聞2016.11.14夕刊記事から)


 [編注、コメント]

 法違反を確認すれば、指摘すべきを「指摘(是正勧告)する」!。その後は、企業の責任において改善策を講ずる、それが企業の責務である、というのが多くの監督官の基本スタンスだろうから、、その意味では、記事における審議官反省の弁「各事業場に対しては是正勧告をしてきたが、企業そのものが変わっていなかったということは、我々が反省すべき課題だ」といった事象も生じやすいのだと思う。
 監督官が、度を超えて、是正策や改善策を誘導することもできないだろうが、指摘企業の体質改善につながるような指導を視野に入れて対応することには意義があるだろう。



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企業向け-「健康経営」を支援!

2016.02.23
「健康経営」支援
 企業にサービス
 損保ジャパン日本興亜


とする表題の次の記事が、2016.2.21日本経済新聞朝刊に掲載されていた。

 「損保ジャパン日本興亜ホールディングスは健康診断などのデータを分析し従業員の健康に関わる企業の課題の改善を支援するサービスを始めた。生産性の低下や医療費予測を可視化し、実行計画を作成。管理栄養士などによる健康指導までサポートする。2020年度までに少なくとも100社との契約を目指す。
 企業や企業の健康保険組合が持つ健診や診療報酬明細書(レセプト)、ストレスチェックなどの結果をデータサイエンティストが分析し対策を立てる。その上で管理栄養士による生活習慣病の重症化予防や、産業医によるメンタルヘルス対策などを提供する。料金は従業員の規模により1千人規模の場合、4~6カ月のコンサルティングで400万円から。」

(編注:以下は別版速報の記事に付記されていた。)
 サービスは子会社3社が連携する。生活習慣の改善を手助けする特定保健指導やストレスチェックは別々の子会社が担っているが、4月1日で3社を統合。SOMPOリスケアマネジメント(東京・新宿)に社名変更する。


 [編注、コメント]

 「労働者の同意のない限りストレスチェツクの結果が事業主に提供されない仕組み。また、ストレスチェックの結果は、本人以外が把握できないように封書等で直接労働者に通知されなければならない。(指針11)」
 記事はストレスチェック制度のこうした趣旨と矛盾することはないのだろうかと、首を傾げながら(記事を)読んでいたのだが、この記事にいう手法を合法的に実行出来るやり方のあることに気付いた。
 ストレスチェックを受託する外部委託機関と事業場の産業医が共同実施者となる場合だ。
 「ストレスチェックの結果」---使われ方の一例ということか。
 


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2015年度経団連規制改革要望「雇用・労働分野(8項目)」について

2016.02.23
 2015年度
 経団連規制改革要望


 2016.2.16、経団連は「2015年度経団連規制改革要望」をとりまとめた結果を公表している。
 これは、経団連が、昨年6月12日から7月31日にかけて、全会員企業・団体を対象にアンケート調査を実施し、98社・団体より508件の回答を得て、12分野・149項目にわたる要望事項にまとめ、政府に提出したもの。
 個別要望は以下の通り。

注:以下は雇用・労働分野に係る8項目です。)

 9.雇用・労働分野(8項目)

 (1)日雇派遣の原則禁止の見直し
 (2)グループ企業内派遣規制の廃止
 (3)離職後1年以内の労働者派遣の禁止の撤廃
 (4)労働契約申込みみなし制度の撤廃
 (5)派遣労働者を特定することを目的とする行為の適切な運用
 (6)障害者雇用納付金制度の改定
 (7)過半数組合のない企業等の就業規則の作成・意見聴取・届出手続きの簡素化
 (8)就業規則による労働条件の変更ルールの見直し

 「2015年度経団連規制改革要望」の全文は経団連サイトの以下のURLから直接参照することができます。
 → http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/013.html



 [編注、コメント]

 経団連も事業場の過半数代表者の選出について、その正当性の担保と証明に苦慮しているのか、と思ったが、違うようだ。

 「(7)過半数組合のない企業等の就業規則の作成・意見聴取・届出手続きの簡素化」の提案趣旨は、「全社で同一の内容である就業規則の作成する際の意見聴取については、各事業場の過半数代表者の信任を得た者を全社の過半数代表者とし、その者への意見聴取のみでこれを可能とすべき。」というもの。
 この提案趣旨は就業規則の本社一括届出等を前提に、全社の過半数代表者を、各事業場の過半数代表者による間接信任で選べるようにしてほしい、ということ?のように思える。

 現行法上の問題点は別として、そもそも、(現在)事業場の過半数代表者が(法的要件を満たすものとして)適正に選出されているかについて、足元の点検が必要ではないか。
 また、事業場の過半数代表者問題について、そろそろ真剣な議論がなされなければならない!!!!!(強く「そのように」思います)。




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労働時間規制の「大きな抜け道」

2012.08.18
 以下は、平成24.7.28付け東京新聞社説の(抜粋)である。

2-1.jpg
(写真は本文と無関係です)

「労働基準法(では)労働時間は原則として一日8時間、週40時間までとされている。
 ところが、
 大きな抜け道が残されていた。
 経営側と労働側が残業や休日出勤の上限を決めて協定(編注/三六協定)を結べば、原則には縛られないという仕組みだ。

 (実態)
 東証一部上場の売り上げ上位100社(2011年決算期)を本紙(東京新聞)が調べたところ、7割が月80時間以上の残業を認める36協定を結んでいる実態が分かった。
 トップは大日本印刷の月200時間
 次いで関西電力の月193時間、
 日本たばこ産業(JT)の月180時間と続いた。」等の記述。

 なお、社説全文は以下のURLを参照してください。
 → http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012072802000124.html


[編注、コメント]

 三六協定は、そこで定めた労使協定の時間を超えて労働することがあったなら、「労働基準法の罰則を適用」するというものだ。
 法的には、「免罰的効果」を持つ条項である。
 その場合、必然として、企業は「実残業」があるかどうかは別に、協定時間の工夫ひとつで罰則の適用を免れることができるのなら、と、仮にもこれを超えることはないという時間をめざして協定化を図ろうとする。(大企業、組織のしっかりした会社、官僚的な会社であればあるほど、そのような傾向に陥る。)
 
 単純にいえば、これが、「7割が月80時間以上の残業を認める36協定を結んでいる実態」の背景だ。

 これは、東京新聞社説がいうように、
 「いずれも日本を代表する企業だ。過労死や過労自殺を招きかねない働き方が常態化しているとすれば見過ごせない。長引く不況で人員削減が進み、一人当たりの仕事量が増える傾向にある。」
 というように「実労働」をそのまま反映したものではないのだが、やはり、36協定の在り方としては問題だろう。

 法制面の補強措置がとられるのが一番だが、
 その方法の一つとして、同社説でも指摘されている「勤務間インターバル規制」(*)が検討されのは良いことだ。(少なくとも、実運用の場面を想定したシュミレーションを行いながら、導入の是非を検討すべき時期かも知れない。)


(*) 「勤務間インターバル規制」=欧州連合(EU)では終業から翌日の始業までに11時間以上の休息を取るルールがある。



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