労務安全情報センター[ブログ]

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裁判例の記事一覧

定額残業制の取扱に関する最高裁判決と通達

2017.09.30
(定額残業制の取扱に関する最高裁判決と通達)

 高額年俸には残業代を含むとする合意があっても、「どの部分が時間外賃金にあたるかが明らかになっておらず、支払ったということはできない」

 2017.7.7の最高裁判決を受け、定額残業制の取扱に関する通達が発出されています。
 以下、通知本文(判決文省略)を掲載します。


 平成29年7月31日付け基発0731第27号「時間外労働等に対する割増賃金の解釈について」(厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長あて「通知」)

(通知本文)
 割増賃金を基本給や諸手当にあらかじめ含める方法で支払うことについて、平成29年7月7日付けで、最高裁判所第二小法廷において別添の判決が出された。
 名称によらず、一定時間分までの時間外労働、休日労働及び深夜労働に対する割増賃金として定額で支払われる賃金については、不適切な運用により、労働基準法上の問題が生じる事例も発生していることから、この判例を踏まえ解釈は下記のとおりとするので、監督指導等の実施にあたっては遺憾なきを期されたい。

                        記

 時間外労働等に対する割増賃金を基本給や諸手当にあらかじめ含める方法で支払う場合には、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要であること。
 また、このとき、割増賃金に当たる部分の金額が労働基準法第37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回るときは、その差額を支払わなければならないこと


(以下「平成28年(受)第222号 地位確認等請求事件、平成29年7月7日 第二小法廷判決」掲載、=下記URLから直接ご確認ください。)


[編注、コメント]
判決要旨(参考)
最高裁判決20170707
( ↑ クリックすると拡大表示できます)



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JR福知山線脱線事故「3社長の無罪が確定」(最高裁)

2017.06.25
JR福知山線脱線事故
3社長の無罪が確定(最高裁判決)2017.6.12




 JR福知山線脱線事故

 2005年4月、乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された(一審無罪・二審無罪)JR西日本の歴代3社長に対して、2017.6.12最高裁第2小法廷で無罪判決があり、これで歴代さ3社長の無罪が確定した。

 最高裁は、判決で「事故以前はカーブにATSを設置する義務はなく、社長が個別のカーブの情報に接する機会は乏しかった。」と指摘し、ATS設置を指示する注意義務はなかったとした。
JR福知山線3社長最高裁
( ↑ 日本経済新聞2017.6.14朝刊紙面)


 [編注、コメント]

 「だれ一人刑事事件を負わないのはおかしいと思うのはもっともだが、個人の責任追及は厳格に考えなければいけない」とは本事件の一審裁判長の言葉! 自然人個人の刑事責任追及には限界があるのが現実。「企業責任を問う法律の仕組みが検討されて良い」という声が強い。
 なお、二審判決に関する記事は、下記URLを参照してください。
 → http://laborstandard.blog82.fc2.com/category19-2.html#entry502


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発注工事の労災事故で市に8,900万円賠償命令(津地裁)

2017.06.22
発注工事の労災事故で
市に8,900万円賠償命令
(津地裁)


 津市発注の道路整備工事の際、石壁の崩落で左足を切断した作業員の男性(51)が、市に計約1億300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、津地裁であった。
 岡田治裁判長は市の安全配慮義務違反を認め、計約8,900万円の支払いを命じた。
 岡田裁判長は、工事を監督していた市職員が安全対策や工事の一時中止を指示しなかったと認定した。市は、安全確保義務は受注した施工業者が一義的に果たすべきだと主張したが、同裁判長は退けた。判決によると、男性は2012年3月16日、道路工事の掘削作業中に斜面が崩れないように積まれた石の崩落に巻き込まれ、大けがのため左足を切断した。(以下省略)(2017,5,29、時事通信記事から)


 [編注、コメント]
 工事の発注者である「市」の損害賠償を認めた裁判例。



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割増賃金相当額を歩合給から控除する賃金規則の有効性(最高裁判決)

2017.04.11
国際自動車事件

最高裁第三小法廷は2017.2.28、国際自動車事件を東京高裁に差し戻した。

裁判の争点  割増賃金相当額を歩合給から控除する賃金規則の有効性
最高裁    公序良俗違反とした原審判断は法令解釈に誤りがある(当然には無効でない)

最高裁第三小法廷
国際自動車事件
一審 東京地裁
二審 東京高裁
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/544/086544_hanrei.pdf

2017.2.28判決
(判決要旨)
判決ポイントは要旨つぎのようなものです。

(1)  使用者が,労働者に対し,時間外労働等の対価として労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったとすることができるか否かを判断するには,労働契約における賃金の定めにつき,それが通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とに判別することができるか否かを検討した上で,そのような判別をすることができる場合に,割増賃金として支払われた金額が,通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として,労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かを検討すべき(である。)

  他方において,労働基準法37条は,労働契約における通常の労働時間の賃金をどのように定めるかについて特に規定をしていないことに鑑みると,労働契約において売上高等の一定割合に相当する金額から同条に定める割増賃金に相当する額を控除したものを通常の労働時間の賃金とする旨が定められていた場合に,当該定めに基づく割増賃金の支払が同条の定める割増賃金の支払といえるか否かは問題となり得るものの,当該定めが当然に同条の趣旨に反するものとして公序良俗に反し,無効であると解することはできないというべきである。

併せて

(2)  労働基準法37条は,使用者に対し,法内時間外労働や法定外休日労働に対する割増賃金を支払う義務を課しておらず,使用者がこのような労働の対価として割増賃金を支払う義務を負うか否かは専ら労働契約の定めに委ねられているものと解されるから,被上告人らに割増賃金として支払われた金額が労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かについて審理判断するに当たっては,被上告人らの時間外労働等のうち法内時間外労働や法定外休日労働に当たる部分とそれ以外の部分とを区別する必要があるというべきである。



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じん肺管理区分の原告が死亡後も「遺族が裁判を継続できる」

2017.04.11
じん肺管理区分
原告の死亡と遺族による裁判継続


最高裁第一小法廷2017.4.6判決
一審 福岡地裁
二審 福岡高裁

じん肺管理区分決定処分取消等請求事件

判決  「継続を認めなかった二審福岡高裁判決を破棄」

理由  「管理1に該当する旨の決定を受けた労働者等が当該決定の取消しを求める訴訟の係属中に死亡した場合には,当該訴訟は,当該労働者等の死亡によって当然に終了するものではなく,当該労働者等のじん肺に係る未支給の労災保険給付を請求することができる労災保険法11条1項所定の遺族においてこれを承継すべきものと解するのが相当である。」
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/671/086671_hanrei.pdf




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