労務安全情報センター[ブログ]

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2012年05月の記事一覧

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トンネルに傾斜、奥で空気より軽い可燃性ガス滞留か~八箇峠トンネル爆発火災事故

2012.05.26
以下””内は「時事通信 5月25日(金)21時30分配信記事から」

” 新潟県南魚沼市のトンネル爆発事故で、同市消防本部などは25日午後、内部に取り残されたとみられる作業員4人の救出に向け、大型の送風機を1台追加し、計2台でトンネル内に空気を送り込む作業を始めた。内部の可燃性ガスの濃度を下げるのが目的だが、作業は難航。トンネル奥でガスが滞留している可能性があるという。
 国土交通省北陸地方整備局によると、トンネルは上り坂になっており、出入り口と最深部は約40メートルの高低差がある。可燃性ガスは空気より軽いため、空気を送ってもうまく循環されず、奥で滞留しているとみられる。”

八箇峠トンネル


[編注,コメント]

 トンネルに傾斜(高低差)があるとなると、先端部の滞留メタンの排出・稀釈(坑内気流に風速を与える必要があるほか、濃度稀釈のため一定の風量も要求される)に困難伴う。
 意外と救出に時間がかかるかも知れないが、この事態では「2次災害を出さない」が最優先だろう。
 なお、昨日午後四時の
 佐藤工業北陸支店(富山市桜木町)総務課長の記者会見、『現場でガスが発生するというのは初めて聞いた。驚いている。』(毎日新聞24日午後8時35分記事)という発言は頂けない。
 そのようなはずがない(詳細は不明だが、この地区が、ガスはでないと確信の持てる場所ではないはずだ)し、
 そのような認識では、法律が要求しているメタンの事前測定もしていない(できるはずがない)のだろう。

 予測していても防げない場合があるのがメタン突出による「爆発火災」だ。
 予測もしていないようでは、話にならない。




(参考)
労働安全衛生規則の関連規定

第二節 ずい道等の建設の作業等

第一款 調査等

(調査及び記録)
第三百七十九条 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該掘削に係る地山の形状、地質及び地層の状態をボーリングその他適当な方法により調査し、その結果を記録しておかなければならない。

(施工計画)
第三百八十条 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行なうときは、あらかじめ、前条の調査により知り得たところに適応する施工計画を定め、かつ、当該施工計画により作業を行なわなければならない。
2 前項の施工計画は、次の事項が示されているものでなければならない。
一 掘削の方法
二 ずい道支保工の施工、覆工の施工、湧(ゆう)水若しくは可燃性ガスの処理、換気又は照明を行う場合にあつては、これらの方法

(観察及び記録)
第三百八十一条 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発等による労働者の危険を防止するため、毎日、掘削箇所及びその周辺の地山について、次の事項を観察し、その結果を記録しておかなければならない。
一 地質及び地層の状態
二 含水及び湧(ゆう)水の有無及び状態
三 可燃性ガスの有無及び状態
四 高温のガス及び蒸気の有無及び状態
2 前項第三号の事項に係る観察は、掘削箇所及びその周辺の地山を機械で覆う方法による掘削の作業を行う場合においては、測定機器を使用して行わなければならない。

(点検)
第三百八十二条 (省略)

(可燃性ガスの濃度の測定等)
第三百八十二条の二 事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、可燃性ガスが発生するおそれのあるときは、爆発又は火災を防止するため、可燃性ガスの濃度を測定する者を指名し、その者に、毎日作業を開始する前、中震以上の地震の後及び当該可燃性ガスに関し異常を認めたときに、当該可燃性ガスが発生し、又は停滞するおそれがある場所について、当該可燃性ガスの濃度を測定させ、その結果を記録させておかなければならない。

(自動警報装置の設置等)
第三百八十二条の三 事業者は、前条の測定の結果、可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるときは、必要な場所に、当該可燃性ガスの濃度の異常な上昇を早期には握するために必要な自動警報装置を設けなければならない。この場合において、当該自動警報装置は、その検知部の周辺において作業を行つている労働者に当該可燃性ガスの濃度の異常な上昇を速やかに知らせることのできる構造としなければならない。
2 事業者は、前項の自動警報装置については、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。
一 計器の異常の有無
二 検知部の異常の有無
三 警報装置の作動の状態

(以下省略)

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農業労災~この10年間平均「年間400件」ベースで推移

2012.05.15
 農林水産省は、平成22年に発生した農作業死亡事故についてとりまとめ、4月20日公表した。
 概況は以下のとおり。

農業労災13-22

1) 平成22年の農作業死亡事故件数は、398件となっており、例年と同水準となっている。
2) 事故区分別にみると、
 イ 農業機械作業に係る事故(以下「機械に係る事故」という。)は、278件(70%)
 ロ 農業用施設作業に係る事故(以下「施設に係る事故」という。)は、14件(4%)
 ハ 農業機械・施設以外の作業に係る事故 (以下「それ以外の事故」という。)は、106件(27%)となっており、それぞれの割合は例年と同じ傾向となっている。 3) 年齢階層別にみると、65歳以上の高齢者の事故が321件となり、事故全体に占める割合は81%となっている。また、80歳以上でみると、134件となり、34%を占めている。
4) 男女別にみると、男性が334件(84%)、女性が64件(16%)となっている。

なお、詳細は下記URLを直接参照してください。

⇒ http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/sien/120420.html

[編注,コメント]

 労働災害の全産業の年間死亡者数が、1,195件(平成22年)だから、農業労災の400件は異常な数値である。
 問題は、その絶対数だけでなく、グラフに見るように、この10年間、まったく減少の傾向を見せていないことである。
 対策が空回りしているか、対策そのものが有効なものとして打ち出されていない可能性がある。このままでは、今後の10年間も、年間400件ベースが持続する可能性すらある。
 (しかし・・・「必要な手は打たれているのだろうか !!!?」)



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精神的な不調のために欠勤を続けている労働者への手順を欠いた懲戒処分(最高裁)

2012.05.15
 平成23年(受)第903号 地位確認等請求事件
 平成24年4月27日 第二小法廷判決

 主 文

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 理 由

上告代理人大谷禎男,同鳥養雅夫,同松尾剛行の上告受理申立て理由について

1 本件は,上告人に従業員として雇用された被上告人が,上告人から,就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤があったとの理由で諭旨退職の懲戒処分 (以下「本件処分」という。)を受けたため,上告人に対し,本件処分は無効であるとして,雇用契約上の地位を有することの確認及び賃金等の支払を求める事案である。

2 原審の適法に確定した事実関係等によれば,被上告人は,被害妄想など何らかの精神的な不調により,実際には事実として存在しないにもかかわらず,約3年間にわたり加害者集団からその依頼を受けた専門業者や協力者らによる盗撮や盗聴等を通じて日常生活を子細に監視され,これらにより蓄積された情報を共有する加害者集団から職場の同僚らを通じて自己に関する情報のほのめかし等の嫌がらせを受けているとの認識を有しており,そのために,同僚らの嫌がらせにより自らの業務に支障が生じており自己に関する情報が外部に漏えいされる危険もあると考え,上告人に上記の被害に係る事実の調査を依頼したものの納得できる結果が得られず,上告人に休職を認めるよう求めたものの認められず出勤を促すなどされたことから,自分自身が上記の被害に係る問題が解決されたと判断できない限り出勤しない旨をあらかじめ上告人に伝えた上で,有給休暇を全て取得した後,約40日間にわたり欠勤を続けたものである。

このような精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては,精神的な不調が解消されない限り引き続き出勤しないことが予想されるところであるから,使用者である上告人としては,その欠勤の原因や経緯が上記のとおりである以上,精神科医による健康診断を実施するなどした上で(記録によれば,上告人の就業規則には,必要と認めるときに従業員に対し臨時に健康診断を行うことができる旨の定めがあることがうかがわれる。),その診断結果等に応じて,必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべきであり,このような対応を採ることなく,被上告人の出勤しない理由が存在しない事実に基づくものであることから直ちにその欠勤を正当な理由なく無断でされたものとして諭旨退職の懲戒処分の措置を執ることは,精神的な不調を抱える労働者に対する使用者の対応としては適切なものとはいい難い。

そうすると,以上のような事情の下においては,被上告人の上記欠勤は就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たらないものと解さざるを得ず,上記欠勤が上記の懲戒事由に当たるとしてされた本件処分は,就業規則所定の懲戒事由を欠き,無効であるというべきである。

3 以上の次第で,原審の判断は,是認することができる。論旨は,採用することができない。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 須藤正彦、裁判官 竹内行夫、裁判官 千葉勝美)



[編注,コメント]

 「有給休暇を全て取得した後,約40日間にわたり欠勤」した事実について、本件の事情のような場合において、(単純に)正当な理由なく無断欠勤したとして諭旨退職の懲戒処分の措置を執ることは,適切なもとのといい難い。すなわち、本件の40日間の欠勤は、就業規則にいう「就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤」に当たらないものであり、そうである以上、「懲戒事由に当たる」としてされた本件処分は、就業規則所定の懲戒事由を欠き,無効と判断される、というこであって、論理的には当然の結論である。

 ところで、最高裁は、精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては「精神科医による健康診断を実施するなどした上で,その診断結果等に応じて,必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべき」であると、対応手順を一般化した形で示している。しかし、個別企業内における精神疾患の発症には、さまざまな経緯をもったケースが混在するのが通例であり、むしろ、一律の対応は難しいことが多いのだが、、、!!!?



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