労務安全情報センター[ブログ]

(labor standard 研究所)  労働条件・労働基準の総合サイト「労務安全情報センター」です。
Home労基情報 | 安衛情報 | その他の労働情報 | 特集・労働基準の法律 | 法改正特集 | 送検事例 | 裁判例 | SPOT情報&ニュース | 労働基準REVIEW | お奨め情報 | 図書販売 | 携帯サイト | 書庫1 |  |  |  | 5(旧雑記) 

2014年03月の記事一覧

スポンサーサイト

--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

古き悪しき慣習の残る縫製業界「経営者を書類送検」

2014.03.28
 以下は、労働新聞第2957号(平成26.2.17号)3面記事から引用


 「監督官に虚偽陳述」
 
 「関労基署 縫製業経営者を送検」

  「岐阜・関労働基準監督署(宇都宮良三署長)は、違法な長時間労働を行わせていたにもかかわらず、監督官に虚偽の陳述をしたとして、縫製業2社と同社代表取締役を労働基準法第32条(労働時間)、同101条(労働基準監督官の権限)違反などの容疑で岐阜地検に書類送検した。外国人技能実習生からの投書をきっかけに立入調査している。
送検されたのは婦人服製造業の(株)フェニックスサンコーみの、(有)マルヤ商事の2法人と両社の代表取締役1人。
両社は平成24年4月21日~9月21日の期間、技能実習生に対し、時間外労働協定(36協定)で定めた1日3時間・1カ月40時間の延長限度を超えて、それぞれ最大11時間50分、192時間の時間外労働を行わせた疑い。
さらに同年8月、同労基署の監督官が立入調査した際の尋問で、代表取締役は法違反の事実はないなどと虚偽の陳述を行った。その後の強制捜査で、1カ月200時間を超える残業を行わせていたことを示すメモや、最低賃金を下回る時間額で計算した残業手当の一覧表などがみつかった。
違法な時間外労働に加えて、休日労働協定で定めた1カ月1日の休日労働の限度を超えて4日の休日労働を行わせていたこと、時間外・休日労働の割増賃金を時間額350~400円で支払っていたこと、深夜労働の割増賃金を支払っていなかったことなどについても立件している。
不払い額の合計は593万円に上る。」


[編注、コメント]

 (*)送致条文労基法第101条(労働基準監督官の権限)違反は、同法120条4号違反である可能性もある。
 この事例の場合、その違反事実が「監督官が立入調査した際の尋問で、代表取締役は法違反の事実はないなどと虚偽の陳述を行った」ということのようだ。「えっ」と思わないでもないが、珍しい事例なのでご紹介。

 (記事を読んで思ったこと)
 婦人服製造業界は進歩がない!!「1カ月200時間を超える残業」などという極度の超過労働の問題点もさることながら、「割増賃金を時間額350~400円で支払っていたこと」(これは所定内賃金に満たない額であり、残業割増の方が低いのである)にも驚く。
 なにより驚くのは、この取扱が、古く(50-60年前)から認められ、慣行化して今に至っているのではないかを思われることだ。対象を「女工」から「技能実習生」に置換えたままに、、という感じがする。



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg



スポンサーサイト

最高裁「通院歴、申告していなかったとしても」労働者の過失とすることはできない

2014.03.27
 最高裁「通院歴、会社に申告していなかったとしても」
 通常知られたくない情報でもあり、
 それを労働者の過失をすることはできない

 2014.3.24最高裁二小判決

 社員が過重労働で鬱病になった場合、精神科通院歴・診断病名・神経症に適応のある薬剤の処方等の情報などを会社側に申告していなかったことが社員側の過失に当たるかが争われた訴訟の上告審判決が2014.3.24、最高裁第二小法廷であった
 差高裁は「(通院歴等の)申告がなくても,(会社側は)その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っている」と判断し、過失相殺などを理由に損害額の2割を減額した二審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。


前記の「過失相殺を否定した最高裁判決のポイント箇所」は、次のとおりです。

東京高裁判決文

 「上告人が,神経科の医院への通院,その診断に係る病名,神経症に適応のある薬剤の処方等の情報を上司や産業医等に申告しなかったことは,被上告人において上告人の鬱病の発症を回避したり発症後の増悪を防止する措置を執る機会を失わせる一因となったものであるから,上告人の損害賠償請求については過失相殺をするのが相当である。」


最高裁はこれを否定して、
以下
最高裁判決文、該当箇所コピー

ア 上告人は,本件鬱病の発症以前の数か月において,前記2(3)のとおりの時間外労働を行っており,しばしば休日や深夜の勤務を余儀なくされていたところ,その間,当時世界最大サイズの液晶画面の製造ラインを短期間で立ち上げることを内容とする本件プロジェクトの一工程において初めてプロジェクトのリーダーになるという相応の精神的負荷を伴う職責を担う中で,業務の期限や日程を更に短縮されて業務の日程や内容につき上司から厳しい督促や指示を受ける一方で助言や援助を受けられず,上記工程の担当者を理由の説明なく減員された上,過去に経験のない異種製品の開発業務や技術支障問題の対策業務を新たに命ぜられるなどして負担を大幅に加重されたものであって,これらの一連の経緯や状況等に鑑みると,上告人の業務の負担は相当過重なものであったといえる。



イ 上記の業務の過程において,上告人が被上告人に申告しなかった自らの精神的健康(いわゆるメンタルヘルス)に関する情報は,神経科の医院への通院,その診断に係る病名,神経症に適応のある薬剤の処方等を内容とするもので,労働者にとって,自己のプライバシーに属する情報であり,人事考課等に影響し得る事柄として通常は職場において知られることなく就労を継続しようとすることが想定される性質の情報であったといえる。

 使用者は,必ずしも労働者からの申告がなくても,その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っているところ,上記のように労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合には,上記のような情報については労働者本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で,必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要があるものというべきである。

 また,本件においては,上記の過重な業務が続く中で,上告人は,平成13年3月及び4月の時間外超過者健康診断において自覚症状として頭痛,めまい,不眠等を申告し,同年5月頃から,同僚から見ても体調が悪い様子で仕事を円滑に行えるようには見えず,同月下旬以降は,頭痛等の体調不良が原因であることを上司に伝えた上で1週間以上を含む相当の日数の欠勤を繰り返して予定されていた重要な会議を欠席し,その前後には上司に対してそれまでしたことのない業務の軽減の申出を行い,従業員の健康管理等につき被上告人に勧告し得る産業医に対しても上記欠勤の事実等を伝え,同年6月の定期健康診断の問診でもいつもより気が重くて憂鬱になる等の多数の項目の症状を申告するなどしていたものである。

 このように,上記の過重な業務が続く中で,上告人は,上記のとおり体調が不良であることを被上告人に伝えて相当の日数の欠勤を繰り返し,業務の軽減の申出をするなどしていたものであるから,被上告人としては,そのような状態が過重な業務によって生じていることを認識し得る状況にあり,その状態の悪化を防ぐために上告人の業務の軽減をするなどの措置を執ることは可能であったというべきである。

 これらの諸事情に鑑みると,被上告人が上告人に対し上記の措置を執らずに本件鬱病が発症し増悪したことについて,上告人が被上告人に対して上記の情報を申告しなかったことを重視するのは相当でなく,これを上告人の責めに帰すべきものということはできない



ウ 以上によれば,被上告人が安全配慮義務違反等に基づく損害賠償として上告人に対し賠償すべき額を定めるに当たっては,上告人が上記の情報を被上告人に申告しなかったことをもって,民法418条又は722条2項の規定による過失相殺をすることはできないというべきである。


[編注、コメント]

 神経科への通院歴,病名等について、会社に申告していない場合、過失相殺において、それを労働者の過失と捉えることの是非(本件高裁判決は2割を労働者側過失として相殺すべきと判断していた)。最高裁の新しい判断である。
 個体側の脆弱性をことさらに強調することを戒めた(最高裁平成10年(オ)第217号,第218号同12年3月24日第二小法廷判決・民集54巻3号1155頁参照)と並んで、ある意味、画期的であり、今後の損害賠償の「過失相殺判断」に与える影響が大きい判決だろう。



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg



「疲労の蓄積で正常運転ができない」と知りながら運転指示

2014.03.19
以下は「2014.3.19MSNニュース」記事から

=過労運転指示の元営業所長ら有罪 名神6人死傷事故=

 「大阪府茨木市の名神高速道路で平成23年、2人が死亡、4人が重軽傷を負った多重事故で、事故を起こしたトラック運転手(45)に過労状態で運転させたとして、道交法違反と労働基準法違反の罪に問われた運送会社「ランドキャリー」(名古屋市)元岐阜営業所長、鈴木弘一被告(49)らの判決公判が19日、大阪地裁で開かれた。西田真基裁判長は鈴木被告に懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 元運行管理者の久田孝幸被告(43)は懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)、法人としての同社は罰金50万円とした。

 西田裁判長は判決理由で「月曜から金曜まで拘束が続く過酷な労働を指示し、疲労が蓄積しているとの認識があった」と指摘した。

 判決などによると、2人は23年6月12日、運転手が過労で正常運転できない恐れがあると知りながら愛知県から兵庫県までの運送を指示。事故があった翌13日午前11時ごろ、居眠り状態で運転させたとしている。」(2014.3.19MSNニュース)

同事件について
同日付け日本経済新聞夕刊は、

 ”判決は「運転手は国の基準を上回る過酷な労働状態で、正常な運転ができないほど疲労が蓄積していた」と指摘。鈴木被告らは「日報などを通じ、運転手の運行状況が国の基準に少なからず抵触し、過労状態にあることを認識していた」”
として、故意の認識について、具体的事実をあげて記事にしている。



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg



人手不足が拡大[平成26年1月]

2014.03.08
[職業別有効求人倍率]

 厚生労働省がまとめた平成26年1月の有効求人倍率を59の職業分類別にみると、求人が仕事を探している人より多いことを示す1倍以上は計37職種(63%)。11の職業でみると(下記参照)、1の保安の職業~6の販売の職業までが有効求人倍率1を超えている。


平成26年1月の有効求人倍率

1 保安の職業4.76
2 建設等の職業2.94
 (建築く体7.32、建築3.01,電気工事1.97,土木2.72)
3 専門的、技術的職業1.78
 (医師薬剤師7.41,建築土木等技術者3.96)
4 サービスの職業2.02
 (接客給仕2.54、介護サービス2.22)
5 運送、機械運転の職業1.65
6 販売の職業1.24

7 管理的職業0.99
8 生産工程の職業0.97
9 農林水産の職業0.96
10 運搬、清掃、包装の職業0.54
11 事務的職業0.31
平成26年1月職種別求人倍率

↑ (クリックすると拡大表示によって、詳細な職種別有効求人倍率の確認ができます)



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg




Template by まるぼろらいと

Copyright ©労務安全情報センター[ブログ] All Rights Reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。