労務安全情報センター[ブログ]

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2015年12月の記事一覧

「改善報告に虚偽記載」を疑われて →強制捜査・違反発覚

2015.12.28
「改善報告に虚偽記載」を疑われて
→強制捜査・違反発覚
運送業者を送検



 (労働新聞2015.12.28記事から)

 「一関労働基準監督署は、36協定で定めた時間を超えた時間外労働をさせた道路貨物運送業の(株)ヤマキ産業運送(岩手県一関市)ならびに同社代表取締役と同社取締役の計1法人2人を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで盛岡地検一関支部に書類送検した。

 同社トラック運転者に1カ月当たり最大156時間の時間外労働をさせていた。

 行政指導後の改善報告に虚偽の記載をした疑いから強制捜査に踏み切り、法違反が明らかになっている。(情報源「労働新聞181号」2015.12.28記事から)」



 [編注、コメント]

 行政指導後の改善報告に虚偽の記載をした疑いから、「強制捜査」!! という経過を辿った点が珍しい。

 隠しおおせない場合、「虚偽記載」は賢明な選択とは言えない(ということは理解して置いた方が良いのだが、、、)



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雇用保険制度の見直しの方向性について(平27.12.25雇用保険部会報告)

2015.12.26
雇用保険制度の見直しの方向性について
(2015.12.25労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会、「雇用保険部会報告」)

 なお、報告書の概要は以下のとおり。
 詳細は→ http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000107715.html


1 雇用保険の適用拡大

 (1) 65歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用対象とする。 (受給要件や給付内容は現行と同じ)
 (2) 雇用保険料の徴収免除は廃止して原則どおり徴収し、一定の経過措置を設ける。


2 就職促進給付の拡充
 (1)受給資格者が早期に再就職した場合に支給される再就職手当について、 給付率の引上げを行う。
   (基本手当の1/3以上を残した場合 支給残日数の 50 %→ 60 %  2/3以上を残した場合  60 %→ 70 %)

 (2)広域求職活動費 (広域の求職活動を行う場合に交通費等を支給)について距離要件を緩和(往復 300km → 200km )するとともに、求職活動に伴う費用(就職面接のための子の一時預かり費用等 ) について新たに給付対象とする 。


3 介護休業給付等の見直し
 (1) 介護離職の防止に向け、給付率の引上げを行う 。 〔 賃金の 40% → 67 % 〕
 (2) 育児介護休業法の改正議論〔介護休業の分割取得、 有期契約労働者の育児・介護休業取得、育児休業の対象となる「子」の範囲等 〕を踏まえ、給付範囲を見直す。



4 失業等給付に係る保険料率の見直し
 雇用保険の財政状況等を勘案し、 失業等給付に係る雇用保険料率について引下げを行う。 〔 現行 1.0% → 0.8 % 〕


 [編注、コメント]

 厚生労働省は、平成28年通常国会への法案提出に向け「法案要綱」の作成作業に入ることとなる。




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入管難民法が定める週28時間を超えて就労させた疑い=ラオックス書類送検

2015.12.26
以下、時事通信 12月25日(金)15時54分配信記事から

記事タイトル=ラオックスを書類送検=留学生に不法就労させた疑い―大阪府警
記事本文

 「免税店大手ラオックス(東京)が、大阪市内の店舗で中国人留学生を不法就労させていたとして、大阪府警外事課は25日までに、入管難民法違反(不法就労助長)容疑で、大阪道頓堀店の元店長の男(50)ら3人を逮捕、書類送検した。
 また、同容疑などで羅怡文社長(52)ら7人と法人としての同社を書類送検した。
 外事課によると、元店長は容疑を認め、「人手が足りなかった。利益追求のためだった」と供述。羅社長も認め、「責任を感じている」と話しているという。
 元店長の逮捕容疑は大阪道頓堀店で1~8月、20代の中国人留学生の男女3人を雇い、入管難民法が定める週28時間を超えて不法就労させた疑い。元店長は処分保留で既に釈放されている。
 羅社長や元店長の送検容疑は昨年6月~今年9月、大阪道頓堀店と心斎橋筋店で数人を不法就労させた疑い。
 外事課によると、仕事内容はいずれも販売で、多いときで週60時間以上勤務した留学生もいた。労務管理は元店長が行っていたが、羅社長らも不法就労を知り得る立場にあったという。
 羅社長は、今年の流行語大賞「爆買い」で受賞者に選ばれていた。
 また府警は、不法就労したとして、いずれも20代の中国人留学生15人を入管難民法違反(無許可活動)容疑などで検挙した。
 ラオックスは「事態を重く受け止め、全社的な勤怠管理システムの新規導入やチェック体制強化などの再発防止策を講じている。お客さまや株主の信頼に沿うよう法令順守に取り組む」とのコメントを出した。 」



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育児休業取得で昇給なしは違法(最高裁判決)

2015.12.26
育児休業取得で昇給なしは違法(最高裁判決)


以下、時事通信2015.12.18記事から

記事タイトル=育休で昇給なし違法確定=男性看護師、3カ月取得-最高裁
記事本文

 「3カ月の育児休業を理由に昇給や昇格が認められないのは違法として、京都市の三尾雅信さん(45)が看護師として勤務していた病院側を相手に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は16日付で、病院側の上告を退ける決定をした。病院側に約24万円の支払いを命じた二審大阪高裁判決が確定した。

 育児介護休業法は、育児休業を理由に不利益な扱いをすることを禁じている
 三尾さんは京都市の医療法人稲門会が運営する病院に2003~13年まで勤務。このうち、10年9~12月に育休を取得した。しかし、病院側は育休を3カ月以上取ると翌年度は職能給を昇給させないという就業規則があることを理由に11年度の昇給を見送り、12年度の昇格試験の受験資格も認めなかった。
 一審京都地裁は昇格の機会を与えなかったことだけを違法として15万円の支払いを命じたが、二審は昇給させなかったことも違法と判断。規則について「育児休業を取得する者に無視できない経済的不利益を与え、取得を抑制させる」と批判した

 医療法人は「現在は制度を変更しており、育休取得による不利益はない」と話した。(2015/12/18-19:31)」





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ワタミ過労自殺事件の和解-1億3365万円、「注目の和解条項」

2015.12.19
ワタミ過労自殺事件の和解
和解金1億3365万円
「注目の和解条項」


 (和解成立2015.12.8)

 居酒屋大手「和民」で働いていた森美菜さん(当時26歳)が過労自殺したのは会社側の責任だとして、遺族らがワタミと当時の社長の渡辺美樹参院議員(自民)などに約1億5300万円の損害賠償を求めた訴訟は2015.12.8日、東京地裁(吉田徹裁判長)で和解が成立。
 和解内容は、「被告側が業務に起因する自殺であると認めて謝罪したうえで1億3365万円を支払い、労働時間の正確な把握などの再発防止策を取ることで合意した」もの。

 注目の和解条項ですがその概要は、次のようなもののようです。

 (NPO法人労働相談センタースタッフ日記
  http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/24db57724286776c02b7459ab858c4f9 に和解条項が掲載されています。)




和解条項

1 被告会社らの業務が原因により死亡したことの確認
2 法的責任の確認
3 被告らの謝罪
4 再発の防止等
  被告らは、被告ワタミの従業員に対し、本件事件の和解の趣旨を十分に説明するとともに、労働基準法及び労働安全衛生法を遵守し、従業員が長時間労働や過重な心理的負荷を負わせる過重な業務に従事することを防止するとともに、別紙記載の再発防止策を行い、従業員の労働環境、健康状態に配慮し、精神疾患発生の予防に努める

5 本和解条項のホームページへの掲載
  被告ワタミ及び被告渡邉美樹は、インターネット上のホームページ冒頭に、本和解条項第1項乃至第4項全文(別紙過重労働再発防止策を含む)を、本和解成立の日から10日間が経過した日から3か月間掲示し、その後9か月間は被告ワタミはホームページの「お知らせ」欄の冒頭に、被告渡邉美樹は、ホームページの「新着情報」欄の冒頭に掲示して周知する。

6 未払い賃金等の支払=被災者の未払い残業手当39万2137円及び控除金2万4675円として、金41万6812円の支払義務があることを認める。

7 損害賠償金の支払義務=金1億3365万円の支払義務があることを認める



別紙  過重労働再発防止策

1 従業員の実労働時間を、正確かつ適正に記録し、実労働時間と異なる時間が就業時間として記録されることを徹底して防止する
  実労働時間は、始業時刻、終業時刻、休憩時間をタイムカード等に正確かつ厳格に記録することにより、適正なものにするよう努める。また、勤務地と居宅が離れていることにより、深夜帰宅が困難となる事態を防止するために、人事部門が定期的に実態を調査のうえ、不要な事業場在場時間を撲滅するように努める。

2 1か月の実労働時間について、36協定(労働基準法第36条に関する労使協定)の定めに従い、従業員が定められた上限時間を超えて労働することを防止する。また、36協定の内容については、過重労働を防止するため、更新時に、現行の時間外労働時間に関する規定(1か月45時間、特別延長は1か月75時間で6回、年間720時間)を低減するように努める

3 労働基準監督署から、事業場に関して是正勧告があった場合には、是正勧告及び是正報告等の内容を全従業員に周知するとともに、その内容をコンプライアンス委員会に直ちに報告する。

4 研修会、新卒ボランティア活動及び会社が出席を実質的に指示するもの並びに課題作成等会社がその作成及び提出を指示するものに要した時間は、適正に業務時間として記録し、残業手当を適正に支払うとともに、長時間労働を防止する
  また、平成20年度から平成24年度までに、その当時のワタミフードサービス及び被告ワタミに入社した新卒社員全員に対し、過去分として一律金2万4714円を支払う。
  なお、該当者のうち退職した社員の、所在のわかる者には書面で連絡したうえ、所在がわからない者への支払いを確保するために、被告ワタミは、被告ワタミのインターネットのホームページ上に、本和解条項本文第5項に記載される和解条項の記載と合わせて、上記条件に該当する社員であった者から申し出があったときには上記金員の支払いをする(但し、本和解条項をホームページに掲載する期間の最終日までに、受領の申し出のない者を除く)旨を掲示する。

5 平成20年度から平成27年度までの間にその当時の被告ワタミ及びワタミフードサービス(平成27年度はワタミフードシステムズ株式会社)に入社した新卒社員につき、賃金から控除した本購入代金等の返還として、該当する新卒社員全員に対し、それぞれ金2万4675円を支払う
  なお、該当者のうち退職した社員の、所在のわかる者には書面で連絡したうえ、所在がわからない者への支払いを確保するため、被告ワタミは、被告ワタミのインターネット上のホームページに、本和解条項本文第5項に記載される和解条項の記載と合わせて、上記条件に該当する社員であった者から申し出があったときには上記金員の支払いをする(但し、本和解条項をホームページに掲載する期間の最終日までに、受領の申し出のない者を除く)旨を掲示する。
  また、社員が研修に使用する書籍や手帳を購入する際の代金収納方法については、社員の自由意思を阻害しないように、別途、検討を行う。

6 正社員を募集する際には、被告ワタミは、入社を希望する者らに対し、実労働時間等、休日・休暇の取得状況、退職等の離職率、費用負担の詳細、給与の当月分の支払いを翌月25日とする取扱い(新規に入社した社員の最初の給与の支払いが翌月25日となること)等の就労実態を正確に説明する。
  また、正社員を募集する際には、基本給額と深夜手当金額を分けて提示する。

7 被告ワタミは、弁護士等の法律専門家、人事労務の専門家を半数以上含むコンプライアンス委員会を運営し、定期的に労働環境及び就労実態を調査・検証することにより、過重労働の再発防止に努める。コンプライアンス委員会は当該調査・検証の結果を文書とし、定期的に被告ワタミのホームページに掲載する。



 [編注、コメント]

 和解金額1億3365万円も、高額和解といえるものであり注目されるが、
 本件の発表内容が注目されたのは、その「和解内容」である。
 和解条項の4及び5
 例えば、5「被告ワタミ及び被告渡邉美樹は、インターネット上のホームページ冒頭に、本和解条項第1項乃至第4項全文(別紙過重労働再発防止策を含む)を、本和解成立の日から10日間が経過した日から3か月間掲示し、その後9か月間は被告ワタミはホームページの「お知らせ」欄の冒頭に、被告渡邉美樹は、ホームページの「新着情報」欄の冒頭に掲示して周知する。」とした部分などだ。
 ここで言及されている「別紙過重労働再発防止策」こそ、本件和解を特徴付けている。
 和解内容のホームページへの公表や原告の範囲を超えて、関係従業員に及んだ(及ぶ可能性のある)違法行為を償わせ又は防止しようというスタンスは、他の和解事件と一線を画するものと言えそうだ。



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単位労働コスト-2013年に日中逆転

2015.12.19
単位労働コスト
-2013年に日中逆転



(日本経済新聞2015.12.6朝刊記事から)

(記事タイトル) 世界の工場、中国に陰り 「労働コスト」日本を逆転

(記事の本文) 「・・・・・(略)中国の人件費は年1割程度の上昇が続き、日本貿易振興機構によると工員の平均月給は北京が566ドル(約7万円)、上海が474ドルとなった。2千ドル超の日本を大きく下回るが、生産性も加味した単位労働コストで比べると様相は変わる。

 SMBC日興証券の試算では、日中のドル建ての単位労働コストは1995年時点では日本が中国の3倍以上だった。ところが、その差は次第に縮小し13年に中国が日本を逆転。14年は中国が日本を引き離している。

 第2次安倍政権の発足後、人民元に対して約4割の円安が進んだことも背景にある。同証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「労働者の高い生産性が求められる高付加価値品ほど日本での生産が有利になる」と指摘する。

 日中の労働コストは当面、再逆転しないとの見方が多い。
 第一生命経済研究所の星野卓也エコノミストは「円高が日本の労働コストを押し上げても中国の賃金上昇の影響が上回る」とみている。」(以上、日本経済新聞2015.12.6朝刊記事から


[編注、コメント]

 生産性も加味した単位労働コスト?という指標で見ると、2013年に日中逆転が起こり、2014年にはそれが拡大、当面再逆転はないだろうという記事だが、経済事情の変化、変動たるや、凄まじいものだ。
 仮に、日本が円高に転じても、中国の賃金上昇の影響がそれを上回ると言われると、日本で、賃金上昇の恩恵を肌で感じられなくなって久しいこともあって、どうにもピンとこない!!!!!



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マスクを着用せず、硫化水素中毒で一時意識不明(JX日鉱日石を書類送検)

2015.12.19
マスクを着用せず、硫化水素中毒で一時意識不明
JX日鉱日石を書類送検



(以下は時事通信2015.12.2配信記事から)

 (記事タイトル)「JX日鉱日石など書類送検 マスクせず作業員入院/倉敷労基署」

 (記事本文)「製油所で作業員が防毒マスクを使用しているか監視を怠ったとして、倉敷労働基準監督署は2日、労働安全衛生法違反の疑いで、JX日鉱日石エネルギー(東京都千代田区)と同社製油グループのグループマネージャーの男性(48)ら3人を書類送検した。

 送検容疑は、岡山県倉敷市の同社水島製油所で7月1日、男性作業員(61)がタンクから硫化水素を含む油分を取り除く際、防毒マスクなどの呼吸用保護具を使用しているかどうか監視する義務を怠った疑い。
 同社や倉敷労基署によると、作業員はマスクを着けておらず、配管から出た硫化水素を吸って一時意識不明となり、1週間入院した。現在は職場に復帰しているという。
 水島製油所は「事故を起こしたことは重く受け止めている。再発防止に努めたい」としている。」(時事通信2015.12.2)



[関連コメント]

 当該書類送検について、JX日鉱日石エネルギーは、ホームページに次のコメントを出している。
 ○「労働安全衛生法」等違反の疑いによる書類送検について
   本日、当社(社長:杉森 務)および当社水島製油所(岡山県倉敷市:所長 大髙 禎夫)の所員3名は、2015年7月1日に水島製油所において発生した、硫化水素ガス吸引事故における安全管理体制に関して、「労働安全衛生法」および「特定化学物質障害予防規則」違反の疑いで、倉敷労働基準監督署から岡山地方検察庁倉敷支部に書類送検されました。
   関係各位には、多大なご迷惑をお掛けいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
   当社といたしましては、本件を重く受け止め、全社を挙げて再発防止策を徹底し、安全管理体制の改善を図ってまいります。



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