労務安全情報センター[ブログ]

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2016年05月の記事一覧

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1か月197時間!違法な長時間残業で千葉労働局が初めて企業名公表

2016.05.20
行政指導段階での企業名公表[長時間労働]

2016年5月19日
長時間労働での企業名公表は初めて
(行政指導段階での企業名公表は、方針としては示されていたが、適用は全国でも初めて)

会社は、千葉市にある棚卸し業務の代行会社、エイジス。
従業員のうち63人が、違法に月100時間を超える残業をさせられていた。
会社4営業所でこの1年間に4回是正勧告を行ったということで、違法な長時間労働が繰り返されていると判断し、19日に企業名の公表に踏み切ったもの。
千葉労働局の企業名公表資料は以下のとおり。
http://chiba-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/chiba-roudoukyoku/houdou/souken/2016519151112.pdf




 [編注、コメント]

エイジスは、複数事業所(4営業所)で、100時間を超える違法な長時間労働があり、経営トップが千葉労働局に呼ばれ個別指導を受けた。従来、「是正なき場合、司法処分とすることがある」旨警告をうけ、実際、是正がなされないとき、処分とあわせ企業名公表という経過を辿ることが多かったが、厚労省は平成27年5月以降、警告前(行政指導段階)での企業名公表を通達していた。
本件はその事例。


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「ニッポン一億総活躍プラン」の概要

2016.05.18
 ニッポン一億総活躍プラン


 政府は2016.5.18、一億総活躍国民会議を開催し「一億総活躍社会の実現」に向けた政策とその工程表を取りまとめた。
 
 前記プランでは
 「働き方改革」を、一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題と位置づけ、3つの目標実現を掲げている


 以下は、「働き方改革」部分から一部を抜粋したもの!!

 2.一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題である働き方改革の方向

  最大のチャレンジは働き方改革である
  多様な働き方が可能となるよう、社会の発想や制度を大きく転換しなければならない


(同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善)

○ 同一労働同一賃金の実現のため、ガイドラインの策定等を通じ、不合理な待遇差として是正すべきものを明らかにする。
○ その是正が円滑に行われるよう、欧州の制度も参考にしつつ、不合理な待遇差に関する司法判断の根拠規定の整備、非正規雇用労働者と正規労働者との待遇差に関する事業者の説明義務の整備などを含め、労働契約法、パートタイム労働法及び労働者派遣法の一括改正等を検討し、関連法案を国会に提出する。
○ これらにより、正規労働者と非正規雇用労働者の賃金差について、欧州諸国に遜色のない水準を目指す。


(長時間労働の是正)

○ 長時間労働の是正のため、法規制の執行を強化する。
○ 長時間労働の背景として、下請けなどの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを構築する。
○ さらに、労使で合意すれば上限なく時間外労働が認められる、いわゆる36(サブロク)協定における時間外労働規制の在り方について、再検討を開始する。
○ 時間外労働時間について、欧州諸国に遜色のない水準を目指す。あわせて、若者の長時間労働の是正を目指し、女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法等の見直しを進める。


(高齢者の就労促進)
 
○ 65 歳以降の継続雇用延長や65 歳までの定年延長を行う企業等に対する支援を実施し、企業への働きかけを行う。
○ また、継続雇用延長や定年延長を実現するための優良事例の横展開、高齢者雇用を支える改正雇用保険法の施行、企業における再就職受入支援や高齢者の就労マッチング支援の強化などを進める。




 [編注、コメント]
 「さらに、労使で合意すれば上限なく時間外労働が認められる、いわゆる36(サブロク)協定における時間外労働規制の在り方について、再検討を開始する。」
 これはぜひとも実現したい事項の一つだ。

 情報源(厚労省):http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/dai8/gijisidai.html



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海外事務所の代表として4年間,赴任継続中も「労災適用!」

2016.05.16
 東京高裁2016.4.27判決
 遺族が逆転勝訴



 以下は、2016.4.28日本経済新聞朝刊記事から
 記事タイトル 「海外勤務に労災適用」「東京高裁、遺族が逆転勝訴」
 記事本文
 「海外勤務中の死亡に労災保険が適用されるかどうかが争われた訴訟で、東京高裁(杉原則彦裁判長)は27日、保険を適用できないとした一審・東京地裁判決を取り消し、遺族補償の支給を認めた。赴任先の中国・上海で死亡した男性(当時45)の妻が逆転勝訴した。

 一般的に、海外出張中の死亡は労災保険が適用される。
 ただ、海外の事業拠点に転勤・所属すると、国内事業者の労働者とみなされなくなる。
 補償を受けるには、海外での労災も保険の対象とする「特別加入」の手続きを取る必要がある。

 判決によると、男性は2006年、運送会社の上海事務所に首席代表として赴任し、10年に急性心筋梗塞で死亡した。

 中央労働基準監督署は、男性が現地事業所に所属しており「出張中の労災ではない。特別加入もしていない」と遺族補償の支給を認めなかった。

 杉原裁判長は、労災保険の適用について「仕事の内容や国内拠点からの指揮命令などを総合的に判断すべきだ」と指摘。
 東京の本社に業務の決定権があったことや、出勤簿を本社に出していたことから「男性は実質的には国内の事業所に所属していた」と判断し、労基署の処分を取り消した。妻の代理人弁護士は「これまでは海外で勤務中に死亡すると、労災適用を諦めて泣き寝入りするケースが多かった。意義ある判決だ」と話した。(2016.4.28日本経済新聞記事)」



 [編注、コメント]
 
 記事が本文中に、
 「一般的に、海外出張中の死亡は労災保険が適用される。
 ただ、海外の事業拠点に転勤・所属すると、国内事業者の労働者とみなされなくなる。
 補償を受けるには、海外での労災も保険の対象とする「特別加入」の手続きを取る必要がある。」と指摘しているが、まさにこれが一般的な取り扱いである。

 個別事案に個別判断はつきものだが、4年間現地事務所の代表を勤めている社員の当該現地での業務を「出張中」の業務とみる余地は(通常)ない。 したがって、本件判決は、個別事案の判断というより、現行制度へのアンチテーゼの一種なのだろう。
 (新聞報道の限りではわからないのだが)そもそも一般的な取扱として定着している「労災特別加入」の手続をなぜ講じていなかったのか。(本人というより会社の講ずべき義務だろう。)
 最低限の法的措置(リスク対応)すら講じず、事後になって、労災適用を主張するという立場には安易に与することができない、というのが率直な感想としてある。

 ※ 以上は新聞報道の範囲に基づく限定的情報をもとにしたコメントです。判決文を精査して意見を修正することがあります。
 


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定年後再雇用、「同じ業務と責任で賃金ダウンは違法」(地裁判断)

2016.05.16
2016.5.13 東京地裁判決
横浜市の運送会社



マスコミ報道等による判決概要は次のとおり


定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、「定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だ」として、勤務先の運送会社を訴えた事件の判決が2016.5.13日、東京地裁であった。

判決によると、3人は正社員として同社に21から34年間勤務した後、2014年に60歳の定年を迎えた。
その後、1年間の嘱託社員として再雇用されたが、(※セメントを輸送するという)仕事内容は定年前と全く同じだったが、年収が定年前と比較して約3割程度下がった。
このケースで判決は、「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法[※第20条]に反する」と認定。定年前の賃金規定を適用して差額分を支払うよう同社に命じたもの。

判決は「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はなかった」、「再雇用時の賃下げで賃金コスト圧縮を必要とするような財務・経営状況ではなかった」ことを認定し、判断理由としている。


(以上は、NHK,日本経済新聞、朝日新聞デジタル等のマスコミ報道の記事を参照し、当方の責任でまとめました。)
※編注です



 [編注、コメント]

 被告の運送会社は、「会社が定年前と同じ条件で再雇用しなければならない義務はなく、不合理な賃金ではなかった」と主張していたという。
 この主張は、高年齢者雇用安定法の規定趣旨にもあり、会社は、(裁判で)当社は高年齢者雇用安定法が「規定するとおり」に定年後再雇用制度の運用を行っているに過ぎないと主張したものと思われる。

 高年齢者雇用安定法は、実質的な(65歳までの)雇用継続さえ達成されるなら、定年後の労働条件は労使の決めに委ねるという立場を鮮明にしていた。

 しかし、現在の日本で労働条件の決定を労使の自主的な話し合いに委ねることは、使用者の優位な立場を反映した決定に納まり易い。「業務内容が同じなのに賃金が下がる」ことへの労働条件の変更は、(力関係からは)いわば必然の事象である。

 判決が(新聞報道で読む限り)、「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はない」を述べているが、「財務状況」がこの場面で持ち出されることには疑問もある。但し、定年後再雇用の「雇用形態、形式、労働態様は様々」であり、その態様に応じて労働条件の引き下げの是非や程度が議論の遡上に上ることには、賛成したい。
 また、それは高年齢者雇用安定法の趣旨に反するところでもない。



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