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定年後再雇用、「同じ業務と責任で賃金ダウンは違法」(地裁判断)

2016.05.16
2016.5.13 東京地裁判決
横浜市の運送会社



マスコミ報道等による判決概要は次のとおり


定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、「定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だ」として、勤務先の運送会社を訴えた事件の判決が2016.5.13日、東京地裁であった。

判決によると、3人は正社員として同社に21から34年間勤務した後、2014年に60歳の定年を迎えた。
その後、1年間の嘱託社員として再雇用されたが、(※セメントを輸送するという)仕事内容は定年前と全く同じだったが、年収が定年前と比較して約3割程度下がった。
このケースで判決は、「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法[※第20条]に反する」と認定。定年前の賃金規定を適用して差額分を支払うよう同社に命じたもの。

判決は「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はなかった」、「再雇用時の賃下げで賃金コスト圧縮を必要とするような財務・経営状況ではなかった」ことを認定し、判断理由としている。


(以上は、NHK,日本経済新聞、朝日新聞デジタル等のマスコミ報道の記事を参照し、当方の責任でまとめました。)
※編注です



 [編注、コメント]

 被告の運送会社は、「会社が定年前と同じ条件で再雇用しなければならない義務はなく、不合理な賃金ではなかった」と主張していたという。
 この主張は、高年齢者雇用安定法の規定趣旨にもあり、会社は、(裁判で)当社は高年齢者雇用安定法が「規定するとおり」に定年後再雇用制度の運用を行っているに過ぎないと主張したものと思われる。

 高年齢者雇用安定法は、実質的な(65歳までの)雇用継続さえ達成されるなら、定年後の労働条件は労使の決めに委ねるという立場を鮮明にしていた。

 しかし、現在の日本で労働条件の決定を労使の自主的な話し合いに委ねることは、使用者の優位な立場を反映した決定に納まり易い。「業務内容が同じなのに賃金が下がる」ことへの労働条件の変更は、(力関係からは)いわば必然の事象である。

 判決が(新聞報道で読む限り)、「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はない」を述べているが、「財務状況」がこの場面で持ち出されることには疑問もある。但し、定年後再雇用の「雇用形態、形式、労働態様は様々」であり、その態様に応じて労働条件の引き下げの是非や程度が議論の遡上に上ることには、賛成したい。
 また、それは高年齢者雇用安定法の趣旨に反するところでもない。



労務安全情報センター
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