労務安全情報センター[ブログ]

(labor standard 研究所)  労働条件・労働基準の総合サイト「労務安全情報センター」です。
Home労基情報 | 安衛情報 | その他の労働情報 | 特集・労働基準の法律 | 法改正特集 | 送検事例 | 裁判例 | SPOT情報&ニュース | 労働基準REVIEW | お奨め情報 | 図書販売 | 携帯サイト | 書庫1 |  |  |  | 5(旧雑記) 

スポンサーサイト

--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

海外事務所の代表として4年間,赴任継続中も「労災適用!」

2016.05.16
 東京高裁2016.4.27判決
 遺族が逆転勝訴



 以下は、2016.4.28日本経済新聞朝刊記事から
 記事タイトル 「海外勤務に労災適用」「東京高裁、遺族が逆転勝訴」
 記事本文
 「海外勤務中の死亡に労災保険が適用されるかどうかが争われた訴訟で、東京高裁(杉原則彦裁判長)は27日、保険を適用できないとした一審・東京地裁判決を取り消し、遺族補償の支給を認めた。赴任先の中国・上海で死亡した男性(当時45)の妻が逆転勝訴した。

 一般的に、海外出張中の死亡は労災保険が適用される。
 ただ、海外の事業拠点に転勤・所属すると、国内事業者の労働者とみなされなくなる。
 補償を受けるには、海外での労災も保険の対象とする「特別加入」の手続きを取る必要がある。

 判決によると、男性は2006年、運送会社の上海事務所に首席代表として赴任し、10年に急性心筋梗塞で死亡した。

 中央労働基準監督署は、男性が現地事業所に所属しており「出張中の労災ではない。特別加入もしていない」と遺族補償の支給を認めなかった。

 杉原裁判長は、労災保険の適用について「仕事の内容や国内拠点からの指揮命令などを総合的に判断すべきだ」と指摘。
 東京の本社に業務の決定権があったことや、出勤簿を本社に出していたことから「男性は実質的には国内の事業所に所属していた」と判断し、労基署の処分を取り消した。妻の代理人弁護士は「これまでは海外で勤務中に死亡すると、労災適用を諦めて泣き寝入りするケースが多かった。意義ある判決だ」と話した。(2016.4.28日本経済新聞記事)」



 [編注、コメント]
 
 記事が本文中に、
 「一般的に、海外出張中の死亡は労災保険が適用される。
 ただ、海外の事業拠点に転勤・所属すると、国内事業者の労働者とみなされなくなる。
 補償を受けるには、海外での労災も保険の対象とする「特別加入」の手続きを取る必要がある。」と指摘しているが、まさにこれが一般的な取り扱いである。

 個別事案に個別判断はつきものだが、4年間現地事務所の代表を勤めている社員の当該現地での業務を「出張中」の業務とみる余地は(通常)ない。 したがって、本件判決は、個別事案の判断というより、現行制度へのアンチテーゼの一種なのだろう。
 (新聞報道の限りではわからないのだが)そもそも一般的な取扱として定着している「労災特別加入」の手続をなぜ講じていなかったのか。(本人というより会社の講ずべき義務だろう。)
 最低限の法的措置(リスク対応)すら講じず、事後になって、労災適用を主張するという立場には安易に与することができない、というのが率直な感想としてある。

 ※ 以上は新聞報道の範囲に基づく限定的情報をもとにしたコメントです。判決文を精査して意見を修正することがあります。
 


労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
labor100-75.jpg

関連記事
スポンサーサイト

Comment


管理者にだけ表示を許可する

TrackBack

TrackBackURL
→ http://laborstandard.blog82.fc2.com/tb.php/553-1cd8e90b
Template by まるぼろらいと

Copyright ©労務安全情報センター[ブログ] All Rights Reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。