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電通・違法残業事件判決(2017.10.6)要旨

2017.10.25
電通・違法残業事件判決(2017.10.6)要旨



1 2017.9.12 略式不相当から正式裁判へ
2 2017,9,22 公判請求 罰金50万円求刑
3 2017.10.6 求刑通り罰金50万円を言い渡し
4 2017.10.6 判決要旨



1 (略式命令=不相当)→正式裁判へ(東京簡裁決定)

 (以下、2017.7.12 17:33産経ニュースより)

 大手広告会社の電通(東京)が社員に違法な残業をさせていた事件で、東京簡裁は12日、労働基準法違反罪で電通を罰金刑とする略式命令を不相当と判断し、正式な裁判を開くことを決めた。簡裁が検察側の略式起訴を退けるのは珍しい。新入社員の過労自殺に端を発した事件は公開の法廷で審理されることになった。

 略式起訴と略式命令は、簡単な事件について非公開の書面審理だけで罰金刑などを言い渡す手続き。より重い罰金刑や、事実の解明・明確化などの理由で略式命令を出すことがふさわしくないと簡裁が判断すれば、通常の公判が開かれる。検察側は公判で改めて罰金刑を求刑するとみられる。

 東京区検は5日、労働基準法違反罪の両罰規定を適用して法人としての同社を略式起訴。起訴状によると、電通は過労自殺した新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=ら社員4人に対し、電通本社の労使協定(三六協定)が定めた月50時間を超え、平成27年10~12月に3時間30分~19時間23分の時間外労働をさせたとしている。

 高橋さんの当時の上司ら本社幹部3人と、中部、関西、京都の各支社の幹部計3人は不起訴処分(起訴猶予)となっていた。(以下省略)


2 罰金50万円を求刑

 (以下、毎日新聞2017年9月22日ニュースより)

 罰金50万円を求刑
 広告大手・電通(本社・東京都港区)の違法残業事件で、労働基準法違反(長時間労働)に問われた法人としての同社の初公判が22日、東京簡裁(菊地努裁判官)であった。山本敏博社長は起訴内容を認め、被告人質問で「尊い命が失われたことを心より申し訳なく思う」などと謝罪した。検察側は罰金50万円を求刑し、即日結審した。
 残業規制を柱とする政府の働き方改革を巡る議論に大きな影響を与えた事件で、簡裁の判断が注目される。判決は来月6日。
(中略)
 被告人質問で山本社長は、職場環境について「仕事に時間をかけることがサービス品質の向上につながり、顧客の要望に応えることだと思い込んでいた」と述べた上で、現在は業務の縮小や機械化などで労働時間を減らす努力をしているとした。

(参考)電通の長時間労働事件
 2015年12月、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺し、東京労働局三田労働基準監督署は16年9月、労災と認定。大企業の長時間残業を取り締まる厚生労働省・過重労働撲滅特別対策班が事件化し、法人としての電通と本支社の幹部を検察に書類送検した。東京地検は今年7月、電通を略式起訴し、幹部らは起訴猶予に。しかし、東京簡裁は同月、審理を略式裁判ではなく、正式裁判(公判)で行うと決定した。


3 2017.10.6判決言い渡し
 
 (以下、中日新聞より)
 広告大手電通(東京)の違法残業事件で、労働基準法違反罪に問われた法人としての電通の判決公判が六日、東京簡裁であった。菊地努(つとむ)裁判官は「違法な長時間労働が常態化していた」として、求刑通り罰金五十万円を言い渡した。


4 電通・違法残業事件判決(要旨)

 (以下、毎日新聞2017年10月7日東京朝刊記事より)

電通・違法残業事件判決(要旨)

<認定事実>

 ダイレクトマーケティング・ビジネス局デジタル・アカウント部長、アウト・オブ・ホーム・メディア局テーブルメディア部長、第19営業局メディアソリューション1部長は東京本社に関し、電通労組東京支部との間で協定を締結し、法定労働時間を超えて延長できる時間は月に50時間などと定めた。同支部が労働者の過半数で組織されておらず無効だった協定を有効と誤信し、2015年10月~12月、社員4人に月50時間を超えてそれぞれ3時間30分~19時間23分の時間外労働をさせた。

<量刑理由>

 自殺し労災認定された者もおり、尊い命が奪われる結果まで生じたことは看過できない。違法な長時間労働が常態化していたとみられる。協定上限を超える長時間労働を行う者が毎月1400人前後いた時期もあり、14年6月に関西支社、15年8月に東京本社が労基署から是正勧告を受けたが、その対応は悪質な企業として公表されたり、官公庁の入札指名停止を受けたりするなどして最終的に東京五輪関連の業務を受注する機会を失う事態を避けるという、もっぱら会社の利益を目的として行われた。
 それゆえ協定を改定し、形式的に違法状態を解消しようとする対応に終始し、業務量削減など抜本的対策が講じられることはなく、具体的対応は部長らに任され、サービス残業も横行する状態となっていた。犯行は社の労働環境の一環として生じたと認められ、刑事責任は重い。
 会社は社会的信用が低下するなどの社会的制裁を受け、新しい働き方への転換を図っている姿勢がうかがえる。社長が公判で再発防止を誓約したことなどの事情を考慮し、他の労基法違反事件との均衡を勘案した。



 [編注、コメント]

 新聞各紙から、電通・違法残業事件の刑事事件送致から起訴。さらに略式不相当の決定、その後の判決及びその要旨を集め、経過をまとめてみた。




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