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裁判例の記事一覧

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シエスパ爆発事故で有罪確定(最高裁)

2016.06.04
記事タイトル
大成建設社員の有罪確定へ=シエスパ爆発事故

2016.5.31最高裁判決紹介
「 東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」で2007年6月、ガス爆発が起き従業員3人が死亡した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた大成建設社員角田宜彦被告(58)について、最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は25日付で、被告の上告を棄却する決定をした。

禁錮3年、執行猶予5年とした一、二審判決が確定する。

被告は施設の設計担当者で、無罪を主張していた。第1小法廷は「施設管理会社側に、爆発を防ぐための作業の必要性を説明する義務があったのに怠った。同じ社内の施工担当者にも十分な情報を伝えなかった」と指摘した。 」(2016.5.26時事通信)


[編注、コメント]

事故発生が2007年6月だから、満9年になるのか!




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定年後再雇用、「同じ業務と責任で賃金ダウンは違法」(地裁判断)

2016.05.16
2016.5.13 東京地裁判決
横浜市の運送会社



マスコミ報道等による判決概要は次のとおり


定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、「定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だ」として、勤務先の運送会社を訴えた事件の判決が2016.5.13日、東京地裁であった。

判決によると、3人は正社員として同社に21から34年間勤務した後、2014年に60歳の定年を迎えた。
その後、1年間の嘱託社員として再雇用されたが、(※セメントを輸送するという)仕事内容は定年前と全く同じだったが、年収が定年前と比較して約3割程度下がった。
このケースで判決は、「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法[※第20条]に反する」と認定。定年前の賃金規定を適用して差額分を支払うよう同社に命じたもの。

判決は「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はなかった」、「再雇用時の賃下げで賃金コスト圧縮を必要とするような財務・経営状況ではなかった」ことを認定し、判断理由としている。


(以上は、NHK,日本経済新聞、朝日新聞デジタル等のマスコミ報道の記事を参照し、当方の責任でまとめました。)
※編注です



 [編注、コメント]

 被告の運送会社は、「会社が定年前と同じ条件で再雇用しなければならない義務はなく、不合理な賃金ではなかった」と主張していたという。
 この主張は、高年齢者雇用安定法の規定趣旨にもあり、会社は、(裁判で)当社は高年齢者雇用安定法が「規定するとおり」に定年後再雇用制度の運用を行っているに過ぎないと主張したものと思われる。

 高年齢者雇用安定法は、実質的な(65歳までの)雇用継続さえ達成されるなら、定年後の労働条件は労使の決めに委ねるという立場を鮮明にしていた。

 しかし、現在の日本で労働条件の決定を労使の自主的な話し合いに委ねることは、使用者の優位な立場を反映した決定に納まり易い。「業務内容が同じなのに賃金が下がる」ことへの労働条件の変更は、(力関係からは)いわば必然の事象である。

 判決が(新聞報道で読む限り)、「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はない」を述べているが、「財務状況」がこの場面で持ち出されることには疑問もある。但し、定年後再雇用の「雇用形態、形式、労働態様は様々」であり、その態様に応じて労働条件の引き下げの是非や程度が議論の遡上に上ることには、賛成したい。
 また、それは高年齢者雇用安定法の趣旨に反するところでもない。



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HIV感染を理由に休職指示は、病院の仕事であっても違法(最高裁確定)

2016.04.17
 HIV感染を理由に休職指示
 =最高裁三小法廷で違法判断が確定
 =2016.3.29



以下は、2016.3.31付け時事通信配信記事による
記事タイトル「HIV休職指示、違法確定 勤務病院に賠償命令/最高裁」
(判決結論)
 エイズウイルス(HIV)に感染した看護師が、勤務先の病院で本人の同意なく感染情報が共有され、上司から休職を指示されたのは違法として、病院を経営する福岡県の医療法人に損害賠償を求めた訴訟で、違法と認めた二審判決が確定した。
 最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)が29日付で医療法人側の上告を退ける決定をした。


1 (事実経緯は)
① 看護師は2011年8月、勤務先とは別の病院での検査で感染が判明。結果は勤務先に伝わり、看護部長らから仕事を休むよう指示され、同年11月に退職した。勤務先に約1,000万円の賠償を求め提訴し、検査結果を伝えた病院との間では和解が成立した。

② 福岡地裁久留米支部は「HIV感染者に対する偏見や差別はまだあり、感染は他人に知られたくない情報だ。同意を得ないで診療目的以外の労務管理に利用することは許されない」として約115万円の賠償を命令。
③ 福岡高裁は「病院は勤務内容を変更して働くことも可能と説明している」として、賠償額を約61万円に減額した。

2 (厚労省ガイドラインは)
  厚生労働省のガイドラインは、HIV感染は解雇の理由にならないと明記。
  雇用側は労働者の感染情報の秘密保持を徹底し、健康ならば他の人と同じ処遇で扱い、感染リスクの高い医療従事者でも基本的に変わらないとしている。


 [編注、コメント]

 検査結果を伝えた病院とは和解成立。休職を指示した勤務先との係争についての今回の判決!
 5年前の事件(当時はHIVを巡って、裁判例のような混乱があったということだ。)



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IBMのC評価解雇は「解雇権濫用」、一方、ロックアウト是認(東京地裁)

2016.04.02
IBMのC評価解雇は「解雇権濫用」
一方、ロックアウト是認
(東京地裁)


 日本IBM正社員として働いていた4都県の43~59歳の男女5人は、2012年7月~2013年6月に、1~2週間後の解雇を通告され、出社を禁じられた。
 その際自主退職すれば退職金を増やすと提案されたが拒否し、解雇された。

 東京地裁は2016.3.28、5人の解雇は権利の乱用で無効とする判決を出した。
 判決では、5人に一定の業績不良や問題行動があったと認める一方、「適性のある業種に配転したり、解雇の可能性を伝えて業績改善の機会を与えたりせずに解雇した」と指摘。同社が根拠とした評価方式については「あくまで相対評価で、低評価が続いても、解雇に足る業績不良と認められるわけではない」と判示。解雇は無効だと結論づけた。

 ※※※ 原告側によると、同社では社員の評価をABCの3段階の相対評価で実施しており、Cの評価が付けられると年収が15%カットされるという。Cの評価が続けば、勤続年数にかかわらず給与が初任給以下になる場合もある。全従業員のうち、何割がC評価をされているかも不明だという。※※※

 本件訴訟では、原告は、解雇予告とともに出社を禁じる「ロックアウト解雇」と呼ばれる手法が違法として損害賠償も求めたが、判決は「会社と対立し機密情報を漏らす恐れがあり、違法性はない」との理由でこれを退けた。


 東京地裁内の会見で、原告代理人の水口洋介弁護士は、「相対評価による解雇が認められないという判断は高く評価できる。アメリカ流解雇自由に対し、日本の解雇乱用法理で歯止めをかけた画期的判決だ」と指摘しました。


○ 以上は、朝日、日経、産経、共同等各紙の記事を参照し、当方の責任でまとめました[労務安全情報センター]




 [編注、コメント]

 業績が上がっていないなど成績の相対評価[結果]は、解雇理由としてどうか?
 東京地裁は、日本的な感覚では、まあ当然すぎる理屈をもって「解雇権濫用」判決を申し渡した訳だが、労働法的には、むしろ、ロックアウト解雇が是認されていることが気になった。しかも、是認理由が「会社と対立し機密情報を漏らす恐れがあり、違法性はない」というのでは、納得し難い。

                                                         


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労働者が自由な意思で行った退職金不利益変更への同意か疑問がある(最高裁判決)

2016.02.26
合併に伴う退職金不利益変更への書面同意
労働者が自由な意思で行った同意か疑問


2016.2.19最高裁第2小法廷判決
最高裁判決退職金


(以下は毎日新聞2016.2.19記事から)
タイトル「賃金の不利益、事前説明を」最高裁差し戻し

本文
 「勤務先の合併による労働条件の変更で退職金を大幅に減額されたとして、信用組合の元職員らが合併先に減額分の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は19日(注:2016.2.19)、「賃金や退職金の不利益変更に対する労働者の同意は、事前に具体的に内容を説明し、労働者の自由な意思を得る必要がある」との初判断を示した。その上で元職員側を敗訴とした2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。元職員側が逆転勝訴する可能性がある。経営者側が賃金や退職金をカットする場合、より丁寧な情報提供を求めたと言えそうだ。

 訴訟を起こしたのは合併で解散した信組の元職員ら。合併で退職金の規定が変更され、著しく減額されたとして合併先の山梨県民信用組合(甲府市)に支払いを求めた。元職員らは規定変更の同意書に署名押印しており、同意があったと言えるかどうかが争われた

 小法廷は「労働者は同意の基礎となる情報を収集する能力に限界がある。署名押印があったとしても、労働者への事前の情報提供の内容などに照らして判断すべきだ」と指摘。「自己都合退職の場合には支給額が0円となる可能性が高くなることなど、具体的な不利益の程度を説明する必要があった」などとして、審理が尽くされていないと判断した。(毎日新聞)」


(※参考説明)
 (以下は日本経済新聞記事から)

 「判決によると、元職員らは2003年に山梨県民信用組合と合併した旧峡南信用組合の出身。合併後に退職金がゼロにされたとして、従来の基準の総額8千万円の支払いを求めて提訴した。
 一審・甲府地裁と二審・東京高裁は、退職金を大幅に減らす内規変更の同意書に署名押印があるとして請求を棄却。元職員側が上告していた。
(日本経済新聞)」



 [編注、コメント]

 従来の基準の総額8千万円の退職金が、合併後は一挙に「ゼロ」に!。普通なら「ok署名」はしないだろうに、元職員らは規定変更の同意書に署名押印しているのは、不思議?だ、何故だ?
 最高裁は、こうした素朴な疑問に答えたのだろう。(私的感想ですが、法律家の持つこの感覚、悪くないと思いました。)
 「同意」とは何か。
 改めて考えてみるいいチェンスになるかも知れない。

 最高裁ホームページに掲載されている判決文概要は以下のURLから参照出来ます。
 →PDF11ページ http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/681/085681_hanrei.pdf



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